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憧れ

 空を仰いで


 飛べるなら


 このまま空の海へとダイブしたい


 けれど、そしたらきっと


 すっきりはするかも知れないけれど


 心地良い風を感じることができるかもしれないけれど


 その全ては一瞬の


 一時のことで


 そしたらきっとそのあと


 このカラダは下へ下へ下へ…下へと


 海の底に在る地へと叩きつけれらるの


 そしたらきっとこのカラダはぐちゃぐちゃになって


 見る影もない


 悲惨な姿へと変貌するの


 誰の目にもそれが自分だと判らない姿へ


 生まれ変わるの


 飛行


 落下


 消滅


 変貌


 転生


 天使は人に変わるの


 人は悪魔に変わるの


 悪魔は天使に変わるの


 そう、そう…


 繰り返し繰り返し


 人の形をしたものは空に憧れる


 そして


 それが一時のものだとしても構わないと


 その身を宙に投げ出すの


 一瞬の浮遊感


 急速に落ちていく


 加速度


 風圧・気圧が


 このカラダを包む皮膚を裂いていく


 ピシっ


 ピシ…パシッ


 ビシっ


 ブチッ…


 ブシュっ…


 そしたら


 赤い水が流れていく


 線を引いて


 尾を引いて


 糸を引いて


 落ちていく流れとともに


 そうして赤い水が、このカラダの通り過ぎた印を残していくの


 溢れ出す


 それが生きている証の赤い水


 綺麗だと思った


 とても奇麗だと思った


 きれい


 キレイ


 地にカラダが着いて


 ぶしゃぁぁ…


 という音を立てて飛び散る


 それはこのカラダに流れていた赤い水


 激しい赤の水飛沫


 溢れて無くなる


 内側から外側へと


 出て行く










 




 蒼い蒼い


 深い深い


 色をした空に


 赤い赤い


 深い深い


 色をした水が


 見事な絵を描いた。











 空は赤い赤い印によって二つに裂かれた。

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