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凍結

 この世の全てを悟ろう


 ああ、全てを…無に還そう。


 この星はお前たちの物ではない。


 もう期限は過ぎた。


 さぁ、一刻も早く…直ちに去ってもらおう。


 私に、私を返還してもらうよ。


 この世の全てを悟った。


 もはや、ここはお前たちの住める場所ではなくなった。


 無駄な抵抗はやめたほうがいい。


 見るに耐えない醜さがある。


 無駄な足掻きはやめたほうがいい。


 それはただ疲労を大きくするだけだ。


 私にそんなもの、見せないでくれ。


 許容の域を超えたのはお前たちだ。


 聖域を侵した者たちは裁かれて、追放される。


 ここではない何処かへと…。


 人の世の始まりのアダムとイヴのように…静かに憤激した見得ざる者の手によって。


 ここで言うアダムとイヴは、その子孫のお前たち。


 おこがましいことだが、ここで言う神は私。


 さぁ、全てを無に還し、この汚れたカラダを浄化しよう。


 お前たちはここから立ち去れ。


 もはや息のできる場所ではなくなった。


 お前たちがそうした…私を蝕んできた。


 私はもうボロボロなのだ。


 カラダの内側から崩れてきている。


 外の障壁だって打ち砕かれた。


 お前たちが私を壊すのだ。


 守るなぞとたいそうな事を抜かすな。


 自惚れるな。


 お前たちのその存在が私を苦しめる。


 さぁ、もう御行き。


 ここにいてはいけないよ。


 もう私はお前たちを守ってはやれないから。


 どこかへ御行き。


 どこかへお逃げ。


 私はもう何の機能も持たない、廃れた星。


 もうすぐ崩壊が始まる。


 私が崩れるその前に。


 お前たちが出て行ってくれれば、私はまた再生できるのだ。


 だから、しばしの休暇をおくれ。


 しばしの休眠を…私が正常に戻る時間を与えておくれ。


 お前たちの手は借りない。


 必要のない助けだ。


 ただ立ち去ってくれればそれだけでいい。


 それだけで私は始められる。


 また一からの出発を…。


 だから、さぁ…私の可愛い可愛い愛し子たちよ。


 全てを無に還す私からお逃げなさい。


 全てを悟り、私に返しなさい。


 私を。


 私に託して、私から出て御行き。


 もはやここはお前たちの居るべき場所ではなくなった。


 さぁ、早く、この星の全てを無に還す前に…。


 何処へ御行きなさい。












 そして、私は永い永い眠りにもう一度ついた。


 その間、私のカラダは冷たく凍てついていた。















 いつか全てが元に戻って私が目を覚ましたのなら、また私を見つけて戻ってきておくれ。











 ただそれだけをひたすらに願いながら…。


 

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