繋がれる世界
命を張って救ったよ、助けたんだ。
命を張って護ったよ、守ったんだ。
あの、小さな輝きを、かけがえのない生命を。
護れたんだ、この腕で。
守れたんだ、この手で。
約束したよ、あの生命と。
一緒に生きようねって。
一緒に頑張ろうねって。
ずっと傍に居るから大丈夫だよって。
だから、泣かないよって。
助けてあげるって、言ったんだ。
壊れそうな細いカラダを抱きしめて、笑って言った。
強がって言った。
…ううん、強がって言ったんじゃないよ。
本当になることを祈って言ったんだ。
この生命がどうか生きながらえますように、と。
精一杯のことはするって決めた、自分のなかで。
けれど、それだけでは心許無くて祈りもした。
どうか…と。
救えたね。
私のこの身で、君を。
君の未来を繋げたよ。
だから、ねぇ…これからいっぱい泣いて怒って笑おうね。
私はずっと君の傍に居るから。
私だけはずっと…何があっても君の味方。
守ってあげるよ、独りで歩けるようになるまで。
意識が朦朧とした苦しいなか、私は君をこの世界へ産み落とした。
『――初めまして――』
そして、ありがとう。
生まれてきてくれて。
私の許へ来てくれて。
君に幸多からんことを、私は願います。