支えあい
月と太陽。
それはこの世を分ける二つの光。
昼と夜…それは太陽と月がいる世界。
お互いが譲り合って、領地――治める時を分けた。
だから、相手の時間の間は姿を隠して目立たないようにする。
それは絶対の掟。
誰もが知る世界の決まり。
暗黙のやり取り。
昼に生きる太陽と夜に生きる月はお互いを認め合って、ちゃんと理解しあって支えあってともに長い時を重ねてきた。
決して同じ時を生きることはないけれど、その分同じように長い時を積み重ねて出来るだけ近づきたいと希った。
その願いが叶わぬものだとしても良いのだと、叶ってはならぬと、胸の内で小さく呟きながら。
それでも願わずにはいられないのだ。
二つの光は永久に近くある。
他の生命はたやすく枯れてしまう。
だからこそ、月と太陽をお互いを容認し、大事だと思いあう。
時は不滅に流れゆく。
永遠に等しき生命を授かった数少ない同士だから。
そこに居て。
いつ終わるやら判らぬ生命をひとりで生きるのは寂しいから。
だから。
この関係を保つためになら、
太陽が地上を照らすときは月は蔭に控え、月が地上を照らすときは太陽は蔭に身を投じる。
全てはお互いのために。