1/1
きっと、自分も信じない
遠い、遠い彼の背中を手の指先で追っていた。思いもよらぬ真実に、それに触れることさえ叶わなかった。
何故自分がこんな目に。
自身を恨み、相手を恨み、他人迄も恨んだ。
こんなにもおぞましくこみ上げる感情は久方ぶりだ。
もう、この世に存在を認識してくれる人なんて居るはずもないのに。
右、こちらを指さして笑う人。
左、こちらを睨みつける人。
前、何も気にせずに通りゆく人。
後、こちらに向かって手をふる人。
全て、自分の存在を見ずに行っている行為。
前後と左右で関係が築かれ、自分はもういない存在なのだと。
思い知らされてしまったから。
もう、いっそ何もかも触れないで、何事も無かったのように過ごしたい。
そんな“戯言”を、今日も自分は語りゆくのだ。
初めまして、はるまきと申します。
ご閲覧ありがとうございます。
とりあえずはプロローグからの投稿となっています。微ホラーに加え、これから少し流血表現あり、となります。内容のある小説を書いていきたいと思っておりますので、何卒、宜しくお願いします。