守護石
いつもお読み頂き有難うございますm(._.)m
アクセスが増えてきて嬉しくて、思わず追加更新しちゃいます(笑)
今週土曜日にも、きちんと更新します!
毎週更新頑張ります!
またまた今回、新キャラ登場です!
プロットだけでかなりの人数になっちゃっているので、そのうち改めて人物紹介ページ取り入れるかも。
「相変わらずお主は変な奴よのぅ」
アレクを見ながらしみじみとセレスは言った。そう言いながらもセレスはアレクとの交流を楽しんでいた。気位の高いドラゴンにとっては珍しい事である。
「えー?セレスーいきなりどうしたのさー?」
アレクは不思議そうに小首を傾げながらそう言った。
「いや、お主と出会った時の事を思い出しておったのじゃ」
「うーん。僕何か特別な事でもしたっけ?」
考え込みながらアレクは言う。
「いや、ワシをこの地に転移させたであろう!あれには本当に肝を冷やしたぞ」
そんなアレクを呆れた様に見ながらセレスは言った。
「えー?転移させただけでしょうー?そんな怖がる事かなぁ?」
驚いた素振りでアレクは言う。
「阿呆!いきなり現れた小童が、ワシ程の巨体をこの様な世界の果てまで飛ばせるとは、誰も思わぬわ!」
セレスは思わず声を荒げた。もしもあの時、転移に失敗していればその身に死が訪れるまで永遠に時空の狭間を彷徨う事になったのだ。有無も言わさず転移され、怒るのも当然だ。
「そうなのかなー?僕なら後10体分くらいのセレスが居ても転移させる事は出来たと思うよー」
のんびりとした口調でアレクは言う。
アレクの魔力量は計り知れない。セレスも今ではその事を重々承知してはいるのだが、それを当時のセレスに求めるのは無理があると言うものだろう。
「ふぅーっ。そもそもそれが規格外なのじゃよ。自分が出来るからと言って、同じ事が当たり前に他人にも出来るとは思わぬ事じゃな」
ため息をつきながらセレスは言った。
「うっわー!ドラゴンだー!」
アレクとセレスの会話の途中、突然甲高い声が響いた。
「ハック!ダメだよ!危ないよ!」
更にそれを咎める別の声も聞こえる。
「大丈夫!平気だって、あのお兄ちゃんも普通に話をしてるじゃないか!」
最初の声の主は、どうやらセレスに興味がある様だ。
「何物じゃ!!」
セレスが声を荒げる。
「ちょっと、セレスー!まだ子供じゃないかー。ビックリしちゃってるよー」
セレスの迫力に固まってしまった子供達を見ながら、アレクは言った。
「怖がらなくていいよー。セレスはちょっと人見知りなんだー。ところで君たちはこんな場所で何をしてるの?」
子供達を見つめながら、不思議そうにアレクは言った。こんな世界の最果てに子供がいるとは思ってもいなかったのである。
「・・・お姉ちゃんが暫くここに隠れていなさいって」
おずおずと少年が言う。
「あの・・・。私たち守護石持ちなんです。でも、そんなに強い守護石じゃないし、まだ力も使いこなせないので危ないからって・・・」
少年の言葉を補足する様に少女は言った。
「あーなるほどねー」
アレクは子供達の話を聞いて、一先ずは納得をしたようだ。
この世界では、稀に-守護石-を持って産まれてくる者達がいる。守護石とはその名の通り、持ち主に何かしらの守護を与えてくれる物である。中でも-宝石-を持って産まれてくる者は大変希少とされており、守護石の力は強大になる。
本来ならば守護石を使えるのは持って産まれた本人のみなのだが、禁呪によって他者でも限定的に使用を可能にする方法があると言う。それによってまだ石の力を使いこなせていない様な守護石持ちは、守護石狩りと呼ばれる集団に狙われたりするのだ。
「君たちは何の守護石持ちなの?」
アレクは訊ねた。
「オレはハックマナイト。何か人と仲良くなるのが上手くなるんだって」
少年がつまらなそうに答える。自分の守護石に納得がいっていないようだ。
「私は水晶です。何処にでもあるような石なんですけどね・・・」
少年とは対照的に、悲しそうに少女は答えた。
その言葉には逃げ隠れしなければ狙われると言う悲しみが込められていた。
「そんな石ころなんぞ捨ててしまえば良いのじゃ」
アレクとの会話を邪魔されて、不機嫌そうにセレスは言う。
「セレスー。そう言う訳にはいかない事を、浄化の守護石持ちの君も良く知ってるでしょー?」
アレクはセレスを宥めるようにそう言った。
「とりあえず、何となく事情は分かったけど、君達どうやってこんな所まで来たのさ?」
セレスチアルは世界の片隅の、ほんの僅かな者しか知らない場所である。
子供達だけで来るなど、不可能な場所なのだ。
「それはね!ユディお姉ちゃんに送って貰ったんだ!」
少年は嬉しそうにそう言った。
「ユディ?」
「そう!ユディお姉ちゃん!すっげー魔導師なんだぜ!」
少年は随分とユディに懐いている様だ。
「へぇー。君達2人をここまで運ぶなんて、中々の魔導師だね」
アレクはユディと呼ばれる魔導師に少しの興味を持った様だった。
アレク程では無いにせよ、膨大な魔力を有する優秀な魔導師なのかもしれない。
いつか1度会ってみたいな・・・そんな事を考えながら、アレクは微笑んだ。
やっとタグにある守護石の話が書けました(^◇^;)
次回は主に、子供達との絡みになります。
既に分かっている人もいるかもですが、アレクの守護石も判明します!