ユグドラシル
ユグドラシル、、、とは?!
「ルビア様!今日は良い魚が獲れましたよ!後で城にお持ちしますね!」
「ルビアお姉ちゃん!僕、弓が撃てるようになったんだよ!」
「ルビア嬢!今日も美しいな!」
人々はルビアを見つけると、思い思いに声を掛ける。ルビアもそれに一つ一つ笑顔で応える。如何にこの国の人々にルビアが愛されているのかを、生命の大樹までの決して長くはない道のりで、シエロ達は知る事となった。
「なんか、話に聞いていた印象とは随分違いますわねぇ」
ルビアの少し後ろを歩きながら、エリスはそんな声を漏らした。
「まぁ、噂なんぞ、尾びれがつきまくって、仕舞いにゃ姿まで変わるって言うからなぁ。アテにはならんよ」
ガハハと笑いながらフリントはそう言った。
「確かに、噂なんてアテにならないっす!!」
何か思い当たる事でもあったのか、ユディの言葉には実感がこもっていた。
「・・・美しい」
シエロは何だか重症のようだ。
「着いたぞ!コレが生命の大樹だ!」
そう言ってルビアが案内してくれたのは、街の中心にある、一際大きなオアシスの真ん中にある小島だった。そこにその美しい樹は生えていた。
儚げな薄紅の花を咲かせ、赤や黄の葉を茂らせ、青い新芽、力強い新緑覗かせる・・・。
その樹、一つで四季を表したかの様な美しい樹であった。しかし・・・。
「大樹と言うには、余りに小さくないっすかね?」
自分の身長と見比べながら、ユディが呟いた。
ユディの身長は決して高い方ではない、むしろ小柄な部類に入ると思われる。
しかし、そんなユディの身長と良く見ても同じくらい・・・。むしろユディよりも小さいのだ。
「大樹・・・と言うからもっと大きな樹を想像していたのですが・・・」
若干戸惑い気味にエリスが呟く。
「確かに。ちんまいよなぁ!!」
ガハハ!と笑いながらフリントは言う。
「・・・・・美しい」
シエロは・・・以下略。
「あはは!確かに皆がそう思うのも当然だ。コレは言わば生命の大樹の子供みたいな物だからな」
慈しむように生命の大樹を見つめながらルビアはそう言った。
最近文章が若干短くてすみません、、、




