オアシス
今回からまたシエロサイドですー!
その頃、シエロ達は漸く帝国の首都のオアシスへ到着していた。
「おうおおおおおおおお!生き返るぜ!!!!!」
そう言って服も脱がずに水場に飛び込んで、頭から水を被っているのはフリントである。
「み、見苦しいよ、おっちゃん・・・。しかも、太陽が頭に反射して、微妙に眩しいし・・・」
足元だけ水に浸しながら、フリントを見つめながらユディはそう言った。
「まぁまぁ。ユディちゃん。私もフリント様のお気持ちは良く分かりますわぁ。本当に暑かったんですもの!!」
エリスもまた、足元で水をパシャパシャしながら、そう言った。
「・・・しかし、あそこだけ何か別次元なのがいるっす」
冷たいユディの視線の先には、オアシスでガチ泳ぎをしているシエロの姿があった。
「あはは・・・。シエロ様にあの様な一面があるとは思いもよりませんでしたわ」
エリスも若干ひき気味に、シエロに冷たい目線を送りながらそう言った。
まぁ、しかしシエロやフリントがそうなるのも、若干仕方がないのかもしれない。
彼らの住む王国の地は大陸の北部に位置しており、比較的涼しい地域にある。
しかし、この帝国は砂漠のど真ん中のオアシスに存在している。
王国とは比べものにならないくらいに暑いのである。
北部出身の彼らにとっては特に、砂漠と言う環境は過酷であった。
「あ"っ!!!!!!」
冷たい目線をシエロに送っていたユディが急にそう叫んだ。
「どうしましたの?ユディ?」
驚いた表情でエリスはそう言った。
「うーん。私とした事が、しまったにゃ」
悔しそうな表情でユディが言う。
「何かありました?」
心配そうにエリスが言う。
「弱吹雪!!」
ユディがおもむろに呪文を唱えると、ユディとエリスの周りが冷んやりと涼しくなった。
「ユディ、とっても涼しいですわ!」
嬉しそうにエリスが言う。
「う、うん。もう少し早くに思いついていれば、あんな汗だくになる事はなかったっすね・・・」
力なくユディは言う。
「まぁ、こんなに暑い場所初めてですし、仕方ないですわ。でも・・・帰りはお願いしますね」
そう言ってエリスは微笑んだ。
「皆様ー!ルビア様との謁見が可能になりましたわよー!そろそろお戻りになってくださいねぇ」
先ほどまで留守にしていたマダム バタフライが、シエロ達を呼びに来た。
ガチ泳ぎしていたシエロもバシャバシャ子供の様に水浴びしていたフリントもバタフライの呼びかけに戻ってきた。
「謁見は明日の午前中になりましわぁっ。朝イチに呼びに参りますので、それまでにご準備くださいねぇ。私はちょっと用がありますので、今夜は戻りませんわぁ」
妖艶な微笑みを浮かべて、マダム バタフライはそう言った。
あぁ、漸く来週、ルビアを登場させられます、、、。




