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対話

先週の続きですー!

「エリス!何言ってるにゃ!!魔獣には言葉なんて通じないにゃ!!」

ユディは泣きそうな表情でエリスに言う。

シエロとフリントは剣を構えて魔獣と対峙したまま、エリスとユディの様子を伺っているようだった。

「・・・きっと大丈夫ですわ。あの子は私たちを傷つけるつもりはありません」

確信しているかの様な強い口調で、エリスは笑顔を浮かべてそう言った。

エリスの言った言葉を裏付けるかの様に、魔獣からの攻撃はない。そんなエリスをユディは不安そうに見つめている。何と言葉をかければエリスを止められるのか・・・しかし、良い言葉は浮かんでこない。こうしている間に魔獣の気が変わって攻撃をしかけてくるかもしれない・・・。

エリスはいつもと変わらない微笑みを浮かべてユディを見つめている。

「・・・うう、分かったにゃ。・・・で、でも!魔獣が何かしそうになった時は、一発ぶちかますので、エリスは即座に逃げるっす!!」

ユディはエリスの説得を諦めてそう言った。

「分かりましたわ。ユディ、その時は宜しくお願いしますね♪」

エリスはユディに笑顔でそう言った。


散歩にでも行く様な気軽な様子で、何の警戒心もなく、エリスは魔獣に近づいていく。

唸り声を上げているものの、魔獣もエリスに何かをする気配はない。

「魔獣さん。私たち、ただ帝国に行きたいだけですの。お願いですから、この道を通して頂けませんか?」

昔からの友達にでも話しかける様に気さくにエリスは魔獣に声をかけた。

魔獣はまだ警戒が解けない様で、手の届く範囲にまで気軽に近づいてエリスを唸りながら睨みつけている。

「うふふ。そうやっているところを見てると、昔ご近所さんがお飼いになっていた犬を思い出しますわ」

エリスは懐かしそうに目を細めてそう言った。

「あの子も中々懐いてくれなくて、いつもそうやって唸り声を上げて私の事を威嚇しきたんですの。初めて頭を撫でさせて貰えた時は嬉しかったですわ」

うふふ、と笑いながら話しかけてくるエリスに魔獣は少し警戒心が解けてきた様だ。

「・・・フン、誇り高き我が、犬っころと同じだと?」

半ば呆れた様な口調で魔獣は確かにそう言った。

「魔獣がしゃべったにゃ!!!!」

驚いてそう叫んだはユディであった。

魔獣は、ただ破壊だけを好む恐ろしいものだとずっと教えられてきたし、実際ユディが戦った魔獣も知性の欠けらなどもない、ただ暴れるだけの存在であった。

魔獣が話をするなど、聞いたこともなければ見たこともなかった。

「・・・何だ猫。我をその辺りの壊れた魔獣と同じにして欲しくはないな」

フフンっと、鼻で笑うかの様に魔獣はハッキリとそう言った。

シエロとフリントも驚きの表情を浮かべて魔獣を見つめている。

「魔獣さん、私たち貴方と戦う気はありませんの。ただ一刻も早く導きの枝を見つけて戻らなければなりません。お願いですから道を開けて頂けませんか?」

再度エリスは魔獣に声をかける。

「・・・・・帝国に仇なす事は無いのだな?」

魔獣はエリス達を未だ警戒しつつそう言った。

「ええ。帝国には導きの枝を探しに行くだけですわ」

ふんわりとした笑顔でエリスはそう言った。エリスは魔獣に対して既に警戒心も何もない。

「フフ。お前は変な奴だな」

そんなエリスを面白そうに見ながら魔獣はそう言った。

魔獣は少し、エリスに興味を持った様子であった。

地味にこの小説を書き始めて一年が経ちました。

遅々として話が進んでいかずにすみません。

色々ととっちらかってはおりますふぁ、完結目指して頑張ります!

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