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旅路

キャラバンでのまったりゆったりの旅。

キャラバンでの旅は今の所、概ね順調であった。

恐れていた盗賊の襲撃も、魔物との遭遇も無く、帝国への道のりを一同は進んで行く。

「帝国まではどのくらいかかるのですか?」

相変わらずの無表情でシエロがバタフライにたずねる。

何も考えてなさそうに見えるシエロだが、実はこの鉄面皮の下では途中で襲撃に遭うのではないか・・・帝国ではなく別の場所に連れて行かれるのではないか・・・何処かに置き去りにされるのではないか・・・実は魔王に引き渡されるのではないか・・・等、様々な事をめまぐるしく考えて、堂々巡りをしている。

それを相手に悟らせない為に意識してやっている訳ではないが、このシエロの無表情も地味に役に立っているとは言えるだろう。

「そうですわねぇ・・・帝国の砦まで、1週間はかからないとは思いますわぁっ」

妖艶な笑みを浮かべてバタフライは言う。

シエロとは対照的に、バタフライはいつも妖艶な微笑みを浮かべている。

しかし・・・瞳の奥は常に鋭い光がある。

本心が顔に出ないと言った意味では、二人はどこか似ているのかもしれない。


「ところでマダム バタフライ、帝国ってどう言う所ですの?何度か興行に行かれた事があるのでしたよね?」

エリスが興味深そうに好奇心いっぱいにマバタフライに話しかける。

エリスも常に微笑みを浮かべているが、バタフライとは違い、こちらは何事も心から楽しんでいる様子だ。小さな子供の様にコロコロと表情の変わるエリスは、どこか憎めない、いつも尻尾を振っている仔犬の様な雰囲気を持っていた。それはきっと、彼女が皆に愛され育ってきただろう事を感じさせた。

「そうですわねぇ・・・」

珍しくバタフライは考え込む様な表情を浮かべる。

「灼熱とオアシスの国・・・と言ったところかしらぁ?」


バタフライによると、帝国は、砂漠・・・と言った、白い砂の海を越えた先の水場にあると言う。

王国は比較的北方に位置しており、砂漠と言ってもシエロ、エリス、ユディはピンとこない様子だ。

「あ!そうですわぁ。海岸線の砂浜ならご存知ですわよねぇ?」

バタフライは良い事を思いついたかの様にそう言った。

バタフライの言葉に三人はうんうんと頷いた。

「うふふ。その砂浜がずーっと続いているのが砂漠ですわぁ」

三人の反応が面白いのか、珍しく本当に楽しそうに笑いながらバタフライは言った。

「砂浜がずーっと続いてるっすか!!」

目をキラキラさせながら、ユディが言う。

にゃんこの亜人であるユディは、実は砂場は大好きである。ついつい野生に戻って、穴を掘り起こしたくなるのだ。


思いのほか和やかに帝国への旅路は進んで行った。

フリントの言葉を聴くまでは。


「急いで馬車から降りろ!魔獣が出やがった!!!」

次週、魔獣との戦闘入ります!

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