表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/70

魔国動乱

先週より、日曜日更新となっております。

どうぞ宜しくお願い致します。

将軍ジェネラルシーンが魔国への帰路を急いでいた頃、アレクは休む間も無く様々な対応に追われていた。

いつもはアレクとアゾゼオと数名の従者しかいないフェネクス城もこの日ばかりは様々な人に溢れ、俄かに活気付いた様にも感じられる。

しかしそれは、アレクが望んでいるものでは全くなかった。


「アレク様!将軍ジェネラルシーンが軍を動かしたとはどう言う事ですか!」

「ついに!侵攻開始ですかぃ!待ってましたよ!!!!!」

「何故、我々には進軍命令が下りないのですか!」

「・・・・・・・困りますねぇ。一同に一言も相談も無しにいきなり軍を動かされては・・・」

「あはははははは!なぁーんか、騒がしくなって楽しいね!アレク様!」

「・・・・・・・・」

「アレク様ー!オレにも命令して下さいよー!」


皆、思い思いに口を開く。それがもう、半日は続いていいる。


「だーかあーらーーー!将軍ジェネラルシーンは侵攻しに行った訳じゃないのっ!詳しい事は機密事項だから話せ無いって言ってるでしょーーー!」

大広間にアレクの声が木霊する。それでも一同の騒めきは治らない。


「だったら将軍ジェネラルシーンが戻ってくるのを待ってます!将軍ジェネラルシーンから直接話を聞いてみないと!」

「そうだ!そうだー!抜け駆けは許されないぞ!!!!」

「・・・・・確かに彼の言い分も聞いてみるべきでしょうねぇ」

「あはははははは!」

「・・・・・・・」


アレクは頭を抱えながらはぁーっと深い溜息をついた。

「・・・アレク様、大丈夫ですの?」

珍しく真面目な顔をして、ローザが訊ねる。

「・・・うーん。残念ながらあんまり大丈夫とは言えないようだねぇ」

疲れ切った顔でアレクが答える。

「ローザ、悪いけどアウインにコレを渡してきて貰えるかい?僕はここから動くのは難しそうだから」

そう言ってアレクは、片手に収まるくらいの大きさの、小さな小鳥の銀細工をローザへと手渡した。

「コレを将軍ジェネラルシーンに急ぎ届けるようにと」

ローザの耳元で小声でアレクはそう言った。

ローザは頷くと、それを受け取ってアウインの元へと急いだ。


ローザ自身、アレクから詳しい話を聞いた訳では無かった。

しかし、アレクが望んでこうなった訳では無い事は充分に理解をしていた。

そして、自分を信用してアウインへの言付けを託された事を嬉しく感じていた。


「アウイン!!」

人気の無い裏庭で、ローザはアウインを呼んだ。

すると、数秒もしないうちに物陰からスッとアウインが現れた。

「ローザ、どうかしましたか?」

覆面で顔半分が覆われている為、目元しか分からないが、どこか訝し気な表情である。

昔からアレクにまとわりついているローザを、あまり良くは思ってはいない様だ。

それをローザも知っているので、ローザもローザで何も言わない。

「コレ、アレク様が将軍ジェネラルシーンに届けて欲しいって。大至急で」

そう言って、銀の小鳥をアウインへと渡す。

「分かりました。では!」

アウインがそう言った次の瞬間には、もうそこに彼の姿を見つける事は出来なかった。

土曜日から日曜日に移って、まだ感覚的にも慣れない方もいるかもですが、どうぞ宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ