将軍シーンvsシルバー 決着
とりあえず、将軍シーンとシルバーの戦いは今回でラストですー!
それは、一瞬の出来事であった。
音もなく眩い光が放たれると同時に、将軍シーンはその動きを止めた。
カッと目を見開いたまま、微動だにしない。
まるで将軍シーンの周囲だけ、時間が止まっているかのようであった。
シルバー以外、その場にいた誰も、何が起きたのかは理解が出来てはいなかった。
ただ呆然と、動きを止めた将軍シーンを見つめている。
数分・・・いや、数秒の後、動きを止めていた将軍シーンが再び息を吹き返したかの様に動き出した。そして、振り返り、叫ぶ様にこう言った。
「おう!シルバー!今のはなんだ!?」
目を真ん丸にして驚きの表情を浮かべている。
「意識はあるんだが、身動きが取れなかったぞ!」
興奮気味に将軍シーンはシルバーに向かって言った。
「詳しいことは、申せませんが、将軍シーン。貴方の動きを止めさせて頂きました」
涼しい顔をして、シルバーが言う。
「あはは!やめだやめだ!こいつは一本取られたわ!俺の完敗だ!」
バトルアックスを地面に突き立て、両手を上げて、何故だか嬉しそうに将軍シーンはそう言った。
「おい!お前ら!魔国に戻るぞ!!」
そして、率いてきた自軍の兵士達に声をかける。
兵士達は若干戸惑いの表情を見せつつも、将軍シーンに刃向かう者は誰一人いなかった。
彼らも一体何が起きたのか、把握できなかったのである。
しかし・・・将軍シーンが自ら敗北を認めた。
それだけは、ハッキリと分かった。
「なぁ、シルバー、もしかして今日ここに俺が来る事が分かっていたのか?」
将軍シーンはシルバーにそう訊ねた。
シルバーは明確な返答は寄こさずに、ただそれに対して薄く微笑みを浮かべてみせた。
「そうか・・・」
ソレを見て将軍シーンは少しだけ考えこむと、こう言った。
「今度また、正々堂々やりあおうや!アンタとはまた今度改めて、お互い全力でぶつかってみたい」
「そうですね。ぜひいつか、全力でやり合いましょう」
シルバーもまた、将軍シーンに対して笑顔を浮かべてそう言った。
そこから、将軍シーンの動きは迅速であった。
王国へ進軍してきた時以上の行軍速度で撤退を始める。
それは、シルバーすらも驚く速度であった。
こうして、将軍シーンとシルバーの戦いは一旦の幕を下ろした。
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「将軍シーン。何をそんなにお急ぎになるのですか?」
副官が不思議そうに将軍シーンに訊ねる。
「どうも、俺たちはハメられたらしい。魔国内部で何か起きてやしないか心配だ」
先ほどの笑顔とは打って変わって、将軍シーンは厳しい表情を浮かべてそう言った。
恐らくシルバーは知っていたのだ。
今日、このタイミングであの場所に到達するであろう事を。
何故、シルバーがソレを知り得たのか。それは「誰か」がシルバーに教えたに違いない。
そして、その「誰か」とはアレク以外に考えられなかった。
すまん。アレク。やはりお前に一報を入れるべきだった。
そんな事を考えながら、将軍シーンは魔国への帰路を急いだ。
さて、色々動きが慌ただしくなって参りました、、、。
もう少しで書き始めて一年、、、いつまで話が続くかまだ分かりませんが、兎に角最後まで書き上げられるように頑張りますー!




