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セレス

アレクの目の前に現れたのは一体?!

セレスチアルは世界の片隅にある、殆ど人の手の入っていない自然豊かな場所である。未開の地と言ってもおかしくはない。そんな場所に、清浄なる湖はあった。

「セレスー!いるー?遊びに来たよー!」

湖に向かってアレクは叫んだ。

湖の周辺は、癒しの空気が満ち満ちており、本来ならば魔族などは近づく事すら出来ない湖畔である。

そんな場所で平然としているアレクを、もしも同じ魔族が見る事が出来たならば、きっと驚愕した事であろう。

「セレスー!いないのー!」

親しい友人にでも言うようにアレクは湖に向かって呼びかける。

しかし、聞こえるのは小鳥のさえずりばかりで、他の何者かを感じさせる物音は何一つとして起きなかった。

「あれー?珍しいなぁ。いつもは呼んだら直ぐに出てくるのに」

アレクは腕を組み、小首を傾げながらそう言った。

「セレスったらー!お昼寝でもしているのー?」

更に大きな声をあげるが周辺は至って静かなままだ。

「セレー「あー!もぅ!煩いわい!そう何度も呼ばずとも聴こえておるわ!戯け者がっ!!」

アレクが再度セレスを呼ぼうとした時、轟音とも言える羽ばたきと共に、威圧感たっぷりの声がふってきた。

「あれー?セレス、今日は湖の中じゃなかったんだねー」

アレクはそんな気をする事もなく、いつも通りののんびりした声でこたえた。


アレクの目の前に、巨体が舞い降りる。

踏みつけられる様な事があれば、アレクなどひとたまりも無いくらいの巨大なドラゴンであった。

純白に近い薄い水色の鱗に光が反射して、まるでそれ自体が輝いているような神々しいばかりの姿をしている。

ホーリードラゴン。地方によってはエンジェルドラゴンとも言われる美しいその姿は、威厳に満ち溢れていた。

「お主、何しに来たのじゃ!また人が攻めて来たのであろう?こんな場所でのんびりしている暇などあるまい」

アレクを見下ろして、セレスは言った。

「あーっやっぱり知ってたかぁー。だけどそれなら大丈夫だよー。今回の司令官は中々話の出来る奴でね。既に撤退しているよ。もうそろそろ王都に到着している頃じゃないかな」

ニコニコとアレクは返答する。

「左様か。して、お主は何用で参ったのじゃ」

さしてその事には興味でもないとでも言う様に、素っ気なくセレスは言った。

「えーっセレスは冷たいなぁー友達の様子を見に来るのに理由は必要ー?空を飛べるって事は、もう傷は良いのかい?」

大袈裟に頭を振りながらアレクは言う。

「・・・っむ。と、友達か・・・。そうじゃな。うん・・・うん。まぁ漸く飛べる程には回復はしたが、本調子になるには今少し時間が必要であろうよ」

照れた様に、尻尾をパタパタさせながら、セレスはこたえる。

因みにパタパタと振っている尻尾が辺りの大木をなぎ倒しているのだが、気にする様子はない。

「ちょ!セレス落ち着いてー!尻尾の辺りが大惨事だよ!」

アレクは慌ててセレスをたしなめた。


アレクとセレスの出会いは今から少し遡る事になる。

まだアレクが少年だった頃、第三次人魔大戦が終了して間もなくの事であった。

その日アレクは初めて1人でゲートを開いて、各地を飛び回っていた。

漸く一人前と認められ、魔法の制限を解除された事により、新しいおもちゃでも与えられたかの様に、ウキウキとまだ見ぬ世界を巡っていたのだ。

何度かの転移を繰り返し、シュンガイト山脈に辿り着いた時、セレスと出会った。

息も絶え絶えの、傷だらけで血まみれのセレスに。


間違えて13日0時の公開に設定していて6日0時に公開出来ませんでしたー!

すみません(;_;)

次回、セレスとの出会いの章になります。

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