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帰還

今回もまたアレクとアゾゼオの漫才会(笑)

「あー!疲れたー!アゾゼオー!お茶、お茶ー!」

象徴的な漆黒のマントを脱ぎながら、アレクはドスンッと玉座に腰を下ろした。

「お帰りなさいませアレク様。既にこちらにご準備しております」

美しい装飾を施された銀のワゴンを押しながら、アゾゼオはそう言った。

「さっすがアゾゼオー。気がきくねー!この香りはオレンジペコかな?」

アレクはニコニコと、アゾゼオの給仕の様子を眺めている。

「これも私の仕事ですから。どうぞ」

アゾゼオは優雅な仕草でカップに紅茶を注ぐと、アレクへと差し出した。

「んーっやっぱりアゾゼオの淹れる紅茶は最高だねー」

アレクは香りを堪能しつつ、ゆっくりと紅茶を味わう。

「何だか機嫌が良さそうですね?如何なさいましたか?」

この様な戦の後、いつもならば城に戻って小一時間ばかりブチブチと文句を垂れるアレクなのだが、今回に限っては愚痴の一つも言わずに何故だかずっとニコニコとしている。アゾゼオは訝しがってそう訊ねた。

「ん?いやね、やーっと僕の願いが叶いそうなんだよ」

残っていた紅茶を一気に飲み干して、アレクはそう言った。満面の笑みである。

「ほぅ。それは重畳でございます。して、その願いとは、どう言った類の物でしょうか?」

アゾゼオは知っていた。アレクには幾つもの願いがある事を。

伝説のフェニックスの羽毛で出来たフカフカの羽毛布団や、どんな者にもジャストフィットすると言う、ウォータースライムのマットレス。

例え大地が揺れてもビクともしない、アイアンゴーレムのキングベッド。

アゾゼオは色々とアレクの願いを思い浮かべると、それら全てが睡眠に関する物である事に、思わず苦笑いをした。

「もーっ!また変な顔してー!どうせ僕がまたマットレスの事でも考えているとでも思ってるんでしょー!?」

アレクはアゾゼオの表情を見て、不満そうにそう言った。

「いえいえ、そんな事、思ってなどいませんよ」

アゾゼオは直ぐに表情を正し、平然とそう言った。

「ふぅん。まぁいいや。今日の僕は機嫌が良いからね。もしかすると人間と、不可侵条約締結の交渉が出来るかもしれないんだー」

嬉しそうにアレクは言う。

「今日、シルバーって奴に会ってさ、中々の使い手で思わずウチに来ないか?なんて誘っちゃったくらいの子なんだけど、ソイツが王様に話してみてくれるって言うんだよねー」

相変わらずのニコニコ顔である。

「そう簡単に行きますでしょうか・・・」

対してアゾゼオは冷静である。

2杯目の紅茶を注ぎながら、小首を傾げてそう言った。

「まぁ、そう簡単ではない事くらい、僕だって分かってるよー。だけど、手掛かりすらなかった今までと比べると、随分な進歩だよー!」

お茶請けのクッキーをポリポリ食べながらアレクは言う。

「まぁ、確かにそうですね。上手くいく事をお祈りしております」

アゾゼオも、心の底からそう思った。正直戦には飽き飽きとしている。

勝てぬと分かっていて、攻めてくる人間に憤りを感じていた。

「まぁその内アチラからまた何か動きがあるでしょー。それまで僕はのんびり待つよ」

2杯目の紅茶を一気に飲み干すと、アレクはそう言った。

「って、事でさ、僕はちょっとセレスに会いに行って来るよー!」

アレクはティーカップをワゴンに乱雑に置くと、一気にそう言い放ちゲートを開いた。

「アレク様!!」

アゾゼオがアレクの腕をつかもうとするが、一歩届かず、アレクは手を振りながらゲートを潜り抜けて行った。

「全く、あのお方は・・・」

玉座の間には残されたアゾゼオの溜息だけが響いた。


「よーし!上手くいった!」

アゾゼオを出し抜けて、アレクはご機嫌である。

転移した先は清浄なる癒しの湖のある最果ての土地、セレスチアルだった。

「ふぅーっやっぱりココはいつ来ても癒されるねー」

天色に近い色の湖を眺めながらアレクはそう言った。

アレクとアゾゼオのやり取りが好きだなー(笑)

次回はセレスチアルでの話になります。

新キャラ登場!!

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