見えない大陸
先週はインフルエンザにつき、更新お休みしてすみませんでした_:(´ཀ`」 ∠):
今週からまた、頑張っていきたいと思います!
「に"ゃぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁっ!!まぁった出て来てしまったにゃぁぁぁぁぁああぁぁっ!!!これで何十回目にゃぁぁぁぁ!!」
ユディの雄叫びが周囲に響く。
「おい、ユディ!だから無駄だって言ってるだろう。やめとけ!やめとけ!」
雄叫びを上げ続けるユディを呆れたように見ながら、フリントが言う。
「うーん、打つ手なし・・・ですかねぇ」
目の前に立ち込める深い霧を見つめながら、困ったようにエリスが言った。
遡る事数時間前、シエロ達勇者一行は王国と魔国との国境の港、エリダヌスに到着をした。
港からは、海峡を挟んで直ぐそこに魔国が見える。
通常は陸続きでは無いのだが、干潮の時だけ、潮が引いて砂の道が出来て、魔国と王国を陸続きにする。
シエロ達は干潮に合わせてこの港に到着し、魔国へと乗り込もうとしていた。
が、しかし・・・。
少し手前からは、ハッキリと魔国が視認出来るにも関わらず、近づくと深い霧が立ち込めて、どうにも前に進めなくなるのだ。
魔法で霧を晴らそうとしても、吸収されているのか、反射されているのか、どちらにせよ上手くいかず、霧を無視して進もうとしても、いつの間にか元の場所に戻って来てしまい、何度挑戦しても、魔国に入る事が出来ずにいた。
何度目かの後に、フリントが先ず匙を投げ、他三人が果敢に挑み続けるものの、どうしようも無く、疲れたエリスが座り込み。シエロは考える様に腕組みをして霧を見つめ、ユディだけが霧の中に突っ込んでいく・・・と言う事を繰り返していた。
「くっそぉ!魔国はもう目の前にゃのにっ!!」
逆立った尻尾を隠そうともせず、ユディはこの日数十回目の突入を試みようとしていた。
「ユディ、一旦デンドライトまで戻ろう。そして、この霧の事をフォシス様に相談しよう」
今まで霧を見つめていたシエロが、そう言った。
「まぁ、今のまんまじゃ、どうしようもないしなぁ」
フリントが同意する様にそう言った。
「そうですね。私もそれが良いと思います」
エリスも頷き、ユディを見つめる。
「うにゃぁ・・・皆にそう言われたら仕方がないっす」
皆の声を聞いて少し落ち着いたのか、ユディの口調も落ち着いてきている。
「ココまでは特に何も無かったから、魔国に入るまでは簡単かと期待していたが、やっぱりそうはいかねぇよなぁ」
フリントは当然、魔国に到着するまでの間に、魔王が何かしらの妨害をしてくるものだと思っていた。
しかし、全くそんな事は無く、拍子抜けするくらいに呆気なく国境までたどり着く事が出来た。
魔国に入る事くらいなら、すんなりといきそうに感じていたのも無理はない。
「まぁ、仕方ないっすね。ゼオのじっちゃんに聞いてみるっす」
ユディも漸く諦めた様に両手を上げてそう言った。
「うーん、だけど昨日出たばかりですのに、直ぐに出戻りだと何だか恥ずかしいですね」
エリスの恥ずかしそうな様子に、フリントとユディは顔を合わせて笑った。
「まぁ何にせよ、仕切り直しが必要です」
シエロは1人、真面目にそう言った。
こうして、勇者一行の一度目の魔国侵入は失敗に終わった。
そして、この霧が意外とやっかいな物である事を知るのは、今少し先の話である。
読み返してみると、ユディの口調がイマイチ定まってない(汗)
一応設定では、テンションが上がったりすると、「〜にゃ!」と猫がでて、普段は「〜っす!」って感じなのですが、、、
以後気をつけます_:(´ཀ`」 ∠):




