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晩餐会、そして旅立ち

今回は少し短めの文章になっておりますm(._.)m

我ながら、展開が遅いので少しペースアップさせてサクサク話を進めていこうかと考えております。

何せ、30話までいって漸くプロットの三分の一くらい、、、_(:3」z)_

「おお、勇者シエロよ!待ちわびたぞ!」

満面の笑みでベリル王がシエロ達を迎え入れる。

「これから過酷な旅が続くであろう。今日は皆、存分に楽しんでくれたまえ」

そう言うと、ベリル王はシエロ達を貴賓席へと自ら案内をした。

通常では考えられない事である。

「おお、この者か。ふぅむ。顔色は悪いが、確かに強い生命力を持っておる!」

長い髭を撫でながらシエロの肩をペシペシと叩いて来たのは、王国の生きる伝説である大魔導師ゼオ=フォシスである。彼は前回の魔王討伐の際、勇者と共に戦った経歴がある。

「あー!ゼオのじっちゃんも来てたんっすね!!」

ユディがそう言って、嬉しそうに笑った。ゼオ=フォシスはユディの魔導の師匠であり、身内の居ないユディの親代わりでもあった。

「こりゃ!ユディ!公の場でじっちゃんはよさぬか!師匠と呼べ!師匠と!」

ゼオ=フォシスはユディを小突きながらそう言いつつも、何処か楽しそうな顔をしていた。


美しい音楽が流れ、贅の限りを尽くした食事が振舞われる。シエロ達に取って、二度とはお目にかかれないような料理の数々に舌鼓を打つ。晩餐会は始終和やかな雰囲気で進んでいった。

来客達は入れ替わり立ち代わり、シエロ達に激励や労いの言葉をかけてゆく。

「シエロ殿、いや、勇者殿。魔王アレクは強い。心してかかられよ」

そう言ってシエロに声をかけて来たのはシルバーであった。

そして、誰にも聞こえぬように小さな声でこうも言った。

「・・・万が一、魔王に勝てそうにないと判断した場合は、迷いなく逃げられよ。若しくは降伏すると良い。魔王は話の分かる人物だ。決して投げやりに、刺し違えようなどとは思わぬ事だ。命あっての物種なのだから」

真剣な目をしてそう言うシルバーに、シエロは小さく頷いて応えた。

そんなシエロを見て、シルバーは優しく微笑んだ。


****************


翌日は晴天であった。

「いやー!旅立つには良い日だな。皆、準備は出来てるか?」

最年長のフリントが皆に声をかける。

「いつでも出発オッケーっすよ!」

大きなリュックを背負ったユディが元気よくそう応える。

「わ、私もいつでも大丈夫ですっ!!」

そこいらにハイキングにでも行きそうな格好のエリスが言う。

「おいおい、エリス。俺たちゃ遊びに行くんじゃねーんだからよぅ。とりあえず、防具くらいは着けておこうや」

フリントがやれやれと呆れ気味に注意をする。

「す、すみませんー!!直ぐに着替えてきますっ!!」

エリスはそう言って、慌てて馬車へと乗り込んだ。フリントとユディは顔を見合わせてを苦笑いするしかなかった。

「シエロ、お前は大丈夫かい?まさかお前まで、エリス嬢のように旅が初めてだなんて言わねぇよなぁ?」

フリントはシエロに向かってそう言った。

「・・・大丈夫です」

相変わらずシエロの顔色は良くないが、武具も装備し、一応準備は万端な様子である。

「んじゃ、エリス嬢の着替えが終わったら、出発しますかねー」

フリントは大きく背伸びをしながらそう言った。


朝の清々しい日差しを受けながら、シエロ達は魔王討伐の旅に出発した。

そしてそれは魔国と王国だけの話ではなく、この世界を大きく揺るがす旅となる事を今はまだ誰も知らない。

漸く勇者が旅立ち、作者としては一区切りついた感じです(笑)

ここまでが序章とするなら、これからが本番!(ぉぃ)

と、とりあえず毎週の更新頑張ります(自爆)

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