召集
先週の予告通り、今週は新キャラが三人ほど出てきます!
(まぁ1人はまだほぼ出番なしなのですが、、、笑)
「アレク様、お久しぶりにございます」
アゾゼオより召集がかかり、1番に駆けつけたのはやはり、親衛隊の長たるアウインであった。親衛隊とは言うものの、アレクのそれは、どちらかと言うと忍びに近い。意図的なのかそうでないのかは分からないが、顔半分を布で隠し、深くフードを被っているアウインの出で立ちも、親衛隊と言うよりは忍者に近いものがあった。
本来、親衛隊はアレクの身辺の警護をするのが役割である。しかし、アレクがアゾゼオ以外の登城に制限をかけた為、ここ最近はずっと各地の偵察に散らばっていた。
「そう言えば、他の皆はどうしたの?一応、アゾゼオから召集かかってるよね?」
親衛隊にはアウインの他に数名の隊員がいる。この場に他の隊員達の姿が見えない事に、アレクは少しの疑問を抱いた。いつもなら呼べば喜んで参上してくる者達なのだ。
「入城は致しておりますが、念のため、既に警備の配置に就かせてあります」
アウインはアゾゼオの召集を受けた際、親衛隊以外にも登城要請がかかっている事を聞き、既に城の警備を固めていた。アウインもまた、皆まで言わずとも必要な仕事をこなしてくれる優秀な部下の1人である。
「うん。了解した。ありがとう」
アウインの回答を聞いてアレクは満足気に頷いた。
「ア・レ・ク・さっまぁ〜っ!!」
アレクとアウインが談笑をしていると、突然女性の甘い声が響いた。
「あぁ〜っ!ずっとお会いしたかったですわぁーっ!!」
そう言って女性はアレク目掛けて飛びついてくる。
「ちょっ!やめてっ!痛いって!!」
あっと言う間にその女性にガッチリとホールドされたアレクは、思わず情けない悲鳴をあげた。
「レディミスティカ、その辺りで勘弁してあげて下さい。アレク様が押し潰されそうです」
苦笑いをしながらアウインは、アレクに絡みついている女性の腕をほどいた。
「ふぅぅーっ死ぬかと思った・・・」
アレクは深い溜息をつきながらゲッソリとしている。
「そんなっ!死ぬかと思ったなんて失礼なっ!ワタクシの愛の抱擁を何だと思っていらっしゃるのっ!」
女性は頬を膨らませて、拗ねる素振りを見せる。
「レディミスティカ、ごめんって、でも本当に苦しかったんだもの」
アレクは苦笑いを浮かべながら女性にそう謝った。
先ほどからアレクに色気を振りまいているこの彼女の名は、ローザ=ミスティカ。
サキュバスの一族の出である。
「それに、レディミスティカだなんて他人行儀な!ワタクシの事は前々からローザと呼び捨てでお呼び下さいとお願いしておりますでしょうっ?」
彼女は膨れた顔のまま、上目遣いでアレクを見つめた。
「はいはい、そうでした。ごめんねローザ」
どこか疲れた様子の投げやりなアレクである。
「うふふっ。分かって下さったなら宜しいのよ♪」
そんなアレクの様子は気にする事なく、呼び捨てにされた事をローザは喜んだ。
「と・こ・ろ・で・・・ワタクシをお召しになるなんて、遂に子種を恵んで下さる気にでもなりましたのぉ?」
うふふっと妖艶に微笑みながらローザは言う。
「いや、残念ながらそんなんじゃないよ・・・」
既に疲れ切っている様子のアレクが答える。
「それならどんな〜「アレク様、ブラッド卿がお見えです」
ローザの話は、アゾゼオによって遮られた。
名前を聞いたローザの表情が変わる。アレクもまた、ゲッソリと疲れ切った表情を一変させて気を引き締める。ローザと顔を見合わせた時、玉座の間に続く扉がガチャリと開かれた。
「お久しぶりでございます、アレキサンダー様。ご機嫌麗しゅう」
アレクサイドの人物は結構描きやすい人が多いです(笑)
また暫くはアレクサイドの話が続くので筆が進みます( ̄∀ ̄)
さて、来週はいよいよブラッド卿がちゃんと登場します(笑)




