第24章 謎
一行は会社に戻ろうとしたが、会社の前には神威龍一に会いに市民が行列を作っていた。
そのため、ジーンに変身したものがある場所へペガサスの連中を連れて行った。
その場所はあのトランスが隠れ家にしていた空き家だ。
「ここなら見つかりません」
そう言うと、ジーンに変身していた者が元の姿に戻った。
その姿はトランスだった。
「わたしはトランスという者です。さて、お互いの知りたいことを話し合いしましょう」
「お前はルーナさんの正体を知りたがっていたな」
「はい」
「うっ…」
ルーナは気絶したままだ。
「僕の目的は強い人たちを集めることです」
「なんのためだ?」
スギールの問いにトランスはこう言った。
「ルーナさんの正体を教えてくだされば教えます」
するとカーメーがこう聞いた。
「魔族でも倒す気か?」
カーメーの問いにトランスは微笑んだ。
「魔族を倒す?師匠どういうことだ?」
と、ジンヤーがカーメーに聞いた。
その時、ルーナが目を覚ました。
ルーナは翔から事情を聞いた。
「いつかはルーナに話さなければと思っていた」
「私に?」
その時だった。
ドラッピーがあの森からこの空き家へやってきた。
「ドラッピー!」
キャルロットがドラッピーを抱き上げた。
ドラッピーの正体が自分の母親だと知らずに…
「あなたたちは、今も魔族がいると思いますか?」
ドッラピーがカーメーたちに聞いた。
「ドラッピーがしゃべった!」
キャルロットやペガサスのほとんどの連中が驚いた。
「この猫は実は人間です。訳があって猫に変身しているんです」
トランスがペガサスのメンバーに説明した。
「ドラッピーが人間?」
キャルロットはまだ半信半疑だ。
「あなたたちは伝説の5人の勇者の名前を知っていますか?」
トランスが尋ねた。
だが、所詮お伽話として語り継がれているため、5人の勇者たちの名前をすべて知っている者は少ない。
「僕の先祖、名はベジックス・ルーマ…伝説の勇者の一人だったそうです」
だが誰も驚かなかった。
トランスの口調や性格のせいか誰一人トランスの話を信じようとしなかった。
だがトランスはお構いなく話を進めた。
「この猫に変身しているのは同じく伝説の勇者の一人、マシェリー・ディアーズさんです」
また皆トランスの話を信じようとしなかった。
カーメーを除いて…
「ワシは虎戦流とういう古武術の継承者じゃ」
「知っています」
「なら、虎戦流の開祖は知っておるか?」
カーメーの問いにマシェリーが答えた。
「ゴンドラ・ボーゼット…この者も私たちと共に魔族と戦ったわ」
「…開祖の名は継承者になったもののみ知ることが出来る。当然スギたちは知らない」
「では、この二人が言っていることは真実なのですか?」
スギールがカーメーに尋ねた。
「ワシも半信半疑じゃ。大体千年前の人間がどうしてこの時代に居るのか知りたい」
「私は時の旅人…生まれたのは魔族との戦いから100年後…」
マシェリーは自分や他の伝説の勇者たちの生い立ちなどを話し始めた。




