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第1章 便利屋ペガサス

マジカール王国の小さな街に「ペガサス」という便利屋、何でも屋という会社があった。

仕事内容は人やペット探しや建物の清掃、荷物の宅配、護衛や盗賊退治など様々だ。

だが、暗殺や麻薬密輸などの法律で禁じられている仕事は禁じられている。


社長はカーメー・ローシー…血の繋がりはないが、まだ赤子だった孫娘ルーナを育てるために、スギとランとロージアの3人と共にこの会社を設立した84歳の老人だ。

魔法は得意ではないが、虎戦流とらせんりゅうという格闘技の達人である。


スギール・フランソワ…カーメーの2番弟子でカーメーたちと共に「ペガサス」を創設した一人。「ペガサス」のリーダー的存在であり四天王のひとりでもある39歳で赤毛の美女だ。

通称「スギ」

出身地はフラース王国ヴェール街。

ヴァーリンと呼ばれるヴァイオリンのような楽器を得意としている。

魔法は氷魔法が使え、その氷を武器にしたり、相手を凍らせて動きを封じたりする。

また、剣術も得意である。


ラン・フランソワ…スギールの妹でカーメーの弟子(弟子入りした時期は姉と同じ時期)四天王の一人でカーメーや姉たちと共に「ペガサス」の創設者の一人。

36歳の赤毛の美女である。

出身地は姉と同じ。

姉同様音楽が得意で、ターギと呼ばれるギターのような楽器を得意としている。

また魔法は姉と同じ氷の魔法を使う。

剣術も得意だが姉に劣る。


ジェーソン・オノーゼ…25歳のクールな金髪のイケメン。カーメーの3番弟子で四天王の一人。

出身地はファイヤル国パイロ村。

得意な魔法は炎を使った魔法なのだが、7年前に自分が村を留守にしている時に夜盗が襲い、村に火を放ち、彼の恋人が焼死んだ。

彼はその後、夜盗どもを見つけ、夜盗どもを殺そうとしたときにカーメーたちに止められ「ペガサス」に入社して、カーメーの弟子となった。

背中には亡き恋人の入れ墨を入れている。


ジンヤー・マウンテン…26歳の銀髪の大男。カーメーの4番弟子で四天王の一人。

女好きだが、明るい性格で「ペガサス」のムードメーカー。

出身地はムラド国ビート村。

魔法は30分くらいなら体を大きくすることが出来る。

6年前にマジカール王国に出稼ぎに来た時、逃走していた強盗を退治した。そして、その強さを認められ「ペガサス」に入社しカーメーの弟子となる。

背中に赤いドラゴンの入れ墨を入れている。


ルーナ・ローシー…血の繋がりはないが、カーメーの孫娘。

18歳の金髪の美女。

彼女の本当の両親は彼女が赤ん坊の頃に謎の死を遂げ、死ぬ前にたまたまいたカーメーに娘を託した。

カーメーはルーナには「お前の両親は、馬車に引かれて事故死した」と告げた。

だがそんな過去を持っていてもカーメーやスギ達に愛情を持って育てられたため、明るく優しい女性である。

かなり高い魔力の持ち主だが、魔力が高すぎるため魔力をコントロールすることが出来ないため、カーメーから魔力を弱める指輪を渡され、常につけている。

カーメーから虎戦流を教わっているため、魔法を使わなくてもかなり強い。


大空翔おおぞらしょう…16歳で女の子のような容姿をした美少年。

茶髪で長い髪を結っている。たまにルーナが冗談半分でリボンを付けられたりしている。

出身地はジャパール国カーワ村。

甘えん坊だが、明るく優しい少年である。

彼の母国は2年前までは、独立国で、他国と戦争を繰り返していた国だ。

3年前、翔が13歳の時にもドラール王国という国と戦争をしていた。

1年続いた戦争はジャパール特殊部隊龍神隊9代目隊長の神威龍一という男の活躍よって、ジャパールが勝利した。

神威はジャパールの英雄として崇められていたが、ジャパールが平和な国になるため他国と交流を深めると姿を消した。

神威龍一がどんな姿をしているのか年齢や性別などは、ジャパールでも一部の人間しか知らない。国民の間ではかなりの大男だと噂されたり、神威龍一と男性の名前だが女ではないかとも噂されていた。

翔もジャパールが平和になった2年前にこの国に来て、「ペガサス」に入社した。

翔の家族は両親と12歳上の姉がいた。両親は仕事で忙しいため、姉が幼かった翔の面倒を見ていた。

だが、彼が6歳の誕生日の時に二人組の強盗に襲われ、目の前で両親が殺され、姉も翔を守ろうとしたが、彼女も殺された。翔も背中を斬られ重傷を負うがある男に助けられ、その後はその男に育てられた。

カーメーの弟子でもないし、魔法も使えない。

甘えん坊で泣き虫で、臆病者だから悪者退治などの仕事はしない。

そのため彼の仕事は、ビル掃除や人探し、飲食店の手伝いなどである。

実はルーナの事が密かに好きなのだが、彼女からは弟みたいにしか思われていないようだ。


キャルロット・クーゴ…明るく優しい10歳の少年。

出身地はベータ王国キーラ村。

彼の母親は父親から「お前が生まれてすぐに死んだ」と告げられた。

彼の父親はプロの暗殺者で、キャルロットは幼い頃から殺人術を叩き込まれたが、優しい性格であるため6歳の時に家を出て、4年前にお腹を空かせて倒れていたところをカーメーに助けられ、「ペガサス」に入社し、カーメーの弟子となる。

魔法は使えない。

「ペガサス」の近くに住んでいるチルチ・リーというガールフレンドがいる。

彼女の父親はジャッキー・リーという武道家で、昔、カーメーに戦いを挑んだが敗北した。

その後ジャッキーはカーメーや「ペガサス」の従業員と仲良くなり、キャルロットと娘の仲も認めている。


マリー・ミゼール…14歳の少女。

オレンジ色の髪をツインテールしているのが特徴である。

出身地はフラース王国ローズ街。

4か月前に4人のロリコン男性に犯されそうになったところ、たまたま国に帰っていたフランソワ姉妹に助けられ、その強さに憧れ、「ペガサス」に入社した。

そのためフランソワ姉妹には「スギ様」「ラン様」と呼び慕っている。

だが、甘えん坊のキャルロットや翔をいじめたり、こき使ったりしている。

カーメーの弟子でもないし、魔法はほうきに乗って空を飛ぶことが出来るが、攻撃魔法は使えない。


本当はもう一人ロージア・ブルーという39歳の男性がいた。

カーメーの一番弟子でカーメーたちと共に「ペガサス」を創設した創設者の一人だ。

正義感が強くたくましく、スギールや他の従業員たちからも尊敬されていたが、3年前、欲に負け高報酬目当てに麻薬の運搬をしたため、解雇及び破門された。

さらに1番弟子でもあるため、スギたちは逃がそうとしたが、カーメーはリスポ隊(警察のような組織)に引き渡し捕縛され、現在は服役中である。


便利屋「ペガサス」…

会社は2階立てで1階が客室であり、ここで依頼人と依頼の話をする。

また従業員達の休憩場所があったり、男女それぞれの浴場があったりキッチンなどもあり、料理は基本当番制なのだが、ルーナが料理好きなため、彼女がほとんどしている。

二階には部屋が7室あり、フランソワ姉妹と翔とキャルロットは一つの部屋をそれぞれ二人ずつ使って、あとの従業員や社長は一室使っている。


キャルロットは歌を歌いながら絵を描いていた。

「かにさん、かにさん、ちょっきん、ちょっきん、横歩き~」

「あらキャルロット君、カニの絵を描いているの?」

と、ルーナが聞いてきた。

「ううん。ドラッピーだよ」

ドラッピーとはチルチが飼っている青い猫である。

半年くらい前キャルロットとチルチが野原で遊んでいたところ、キャルロットが見つけたのだ。

ドラッピーは最初は逃げたが、しばらくしたら二人の前に現れたため、キャルロットが捕まえて、チルチにプレゼントしたのだ。

「あっ、本当だ。ドラッピーだ。キャルロット君は絵がうまいね」

椅子に座って休んでいたマリーがこの話し声が聞こえ、「(なんで猫の絵を描いているのにカニの歌なんか歌っているのよ)」と思っていた。

「ドラッピー、また逃げちゃったから、似顔絵をたくさん書いて町で配ったり、お店とかに張らせてもらうんだ」

「そう、じゃあ私も探すの手伝うわ」

「ありがとう。ルーナお姉ちゃん」

「僕も暇だから手伝ってあげるよ」

そう言ってきたのは翔だ。

「本当!ありがとう翔兄ちゃん」

「私も探すの手伝ってもいいけど、見つけたらいくらくれるのよ?」

と、マリーが言ってきた。

「えっ?報酬?」

「仕事なんだからお金もらわないと」

「チルチちゃんは友達だから報酬なんてないよ」

「じゃあ、やめた」

その時、

「マリー、友達が困っていたら助けてあげるものだぞ」

と、言ってきたのはスギールだ。

「スギ様!分かりました」

フランソワ姉妹にはいい子を演じるマリーであった。

「よし、いい子だ。私も手伝ってやりたいが、四天王はこれから盗賊退治に行かねばならん」

「盗賊退治ですか!スギ様やラン様なら楽に退治出来ますが、一応気を付けてください」

「ああ、ありがとう」


「すみません」

玄関の方から女性の声が聞こえた。

「依頼人かしら」

と、言いながらルーナは玄関へ向かった。

「依頼でしょうか?」

「あっ、こちらの責任者の方ですか?」

「ワシがここの会社の社長じゃ」

「おじい様」

「私、如月美奈子と言います。年は17歳です。ぜひここで働きたいと思いまして」

「如月美奈子……お前さん、ジャパール人じゃな」

「は、はい…ジャパール人は雇ってもらえないんですか?」

「いや、ここじゃ国籍だとか性別だとか年齢だとか関係ない。それに翔!」

「はい」

「この女子おなごみたい男もジャパール人じゃ」

「大空翔です」

「(うわ~なんか可愛い)」

「我が社のオカマ担当じゃ」

「あう~、社長ひど~い」

「よしよし。おじい様!」

「すまん。すまん」

「(仕草も女の子みたいなんだけど…リボンしているし…でも似合っている)」

「あう~…あの人絶対僕の事オカマだと本気で思っていますよ」

「大丈夫よ。たぶん」

「あう~…」

「よしよし」

「翔の奴いいな~ルーナちゃんによしよししてもらえて」

そう言ったのはジンヤーだ。

「まあ、冗談はここまでじゃ。よしお前さん悪人じゃなさそうだし、採用しよう」

「本当ですか!」

「うむ」

カーメーは美奈子を正式に雇い、従業員たちを紹介した。

「みなさんよろしくお願いします」

「こちらこそ」

「お前さん、魔法は使えるのかい?」

「社長!ジャパールは今でこそ誰でも魔法を研究することが出来ますが、2年前まで、魔法を研究出来るのは軍などに所属している一部の人間だけですよ。魔法を研究するということは、他国の文化を学ぶことになりますから、2年前までは国民が魔法を研究するだけで犯罪になっていたんですから」

「そうじゃったな」

「はい、だから僕も使えないんです」

「あっ、でも兄から少し武道を学びました。兄はそこそこ有名な武道家でした」

「ほう」

「兄の名は如月武」

「えっ!?」

その名を聞いて翔は驚いた。

「知っておるのか?」

「僕の知っている人かどうかはわかりませんが…失礼ですがお兄さんは十年位前に馬車に引かれそうだった子供を助けようとし、事故死されたんじゃ」

「ええ」

「舞という名前の彼女がいませんでしたか?」

「えっ?どうして知っているんですか?会ったことはありませんが、よく兄がその人の自慢話をしていました」

「僕はその舞という人の弟です」

「えっ?(そういえばこの人の苗字、舞さんと同じだわ)でも、あそこの一家は兄が亡くなってすぐに強盗に殺されたとニュースで知ったわ」

「姉は最後の最後まで僕を守ろうとしてくれました。その後僕も殺されそうになったのですが、偶然通りかかった人に助けられて、その後はその人に育てられました」

「そうだったの」

「あの頃のジャパールは荒んでいましたからね。実はリボンしているのはルーナさんが冗談でつけたんですが、でもその顔を鏡で見たら、亡き姉の顔を思い出せて…それで今ではよくリボンを付けているんです」

「(この子も苦労してきたのね~)」

「師匠!私たちは盗賊退治に行ってきます」

「おお、そうじゃったな。気を付けて行けよ」

「はい」

四天王たちは盗賊退治へと出かけた。

「あの、私はまず何をすればいいでしょうか?」

「う~む」

「あっ、ドラッピーという青い猫探しを手伝ってほしいわ」

「猫探しですね。わかりました」

「ただ、知り合いの依頼、しかも猫探しだから報酬はないんだけどいいかしら」

「まだ、入ったばかりですから、全然かまいません」

「美奈子お姉ちゃん、これがドラッピーの絵だよ。オイラが描いたんだ」

「うまいのね。えっと…」

「オイラの名前はキャルロット・クーゴ」

「そうだったわね。ごめんね」

「じゃあ、みんなで探しに行きましょう!」

「はい!」


こうして「ペガサス」に新たな仲間が加わったのであった。



この物語はずいぶん前からある程度のストーリーを考えていました。

だから最後までかける気がします。

この物語の主人公は大空翔で、ヒロインはルーナとです^^

あと、マジカルワールド1や2を読んでくださると嬉しいです。

3はまだ完結していませんが…

もちろんマジカルワールドシリーズ以外のデビュー作の格闘小説「武勇伝(改)」や他の作品も読んでもらえると嬉しいです(^^


生時


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