発見 葬式にて~
「なんで……なんで私だけなの?」
少女は悲しそうにただその言葉を繰り返す。葬式が始まってからずっとこの調子だ。
涙も休むことを知らず、少女の瞳から溢れ、頬を伝い、やがて落ちる。よく見ると、少女が顔をうずくめている桐の棺にシミが出来ていた。
もう一度少女の顔を確認する。
泣き腫らしたせいで、綺麗な黒い瞳の周りが少し赤くなっている。だが、黒い髪のショートヘアー、この肌色……。間違いないはずだ……。
確認したところで視点を変え、桐の棺の中を覗いてみる。
棺の中には中学生だろうか…? 少女と同じような顔立ちの少年が死に化粧をされ、周りの花々と共に静かに微笑んでいる。
後ろにいる親族や関係者の連中の所へ視点を変えてみる。
連中は始まってから響く、ハゲのありがたい戯言も聞かず、陰口に勤しんでいる。そいつらの話を小耳にはさんだ結果、棺の中の少年は 長月 葉 泣いている少女は 長月 楓 と言うらしい。
楓は周りの連中の陰口も気にせず、ただ棺の前で泣き崩れていた。
知っている人も、知らない人もこんにちは。七都(しちと)と申します。
駄文ですが、よろしくお願いします。