表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/19

原因

9、原因

よくよく考えてみれば・・・ボクがここまで仕事が嫌いなのはなぜだろう。

そう思ったことがある。

前にもどこかで書いたかもしれないが、友人の保田くんに至ってはボクとはまったく真逆の考え方でお金さえもらえれば多少休みが減っても構わない、という考え方なのである。

仕事嫌いの原因は分からないまでも、怠け者のボクの原点は実は幼稚園まで遡る。


先天性内反足という病気をご存じだろうか?

まあ・・・。

たぶんたいした病気ではないとは思う。

いや、そういうことを言うのはこの病気で苦しんでいる人に失礼かな・・・とも思うのだが、ボク自身がこの病気で幼いころは病院通いしていたが、現在はとくに生活に支障なく生きているので、そういう言い方をしてみた。

生まれた時から、足首が内側に変形しているこの病気はほっとくと歩けなくなることもある、なんてことを聞いたことがある。幸いボクは歩くことにも走ることにも全く支障がないのであまりピンと来ないのだがそれは両親が幼いボクにたいして献身的に病院に連れて行き必要な治療を受けさせてくれたからに他ならない。


こうやって書くと非常にかわいそうな話に聞こえる。

幼稚園に通っているぐらいの幼い男の子が病院通いをしなければならない・・・。

実際に、ボクは幼い時から年に数回ぐらいは病院通いだった。

ただ周りのそういう目とは裏腹にボクは病院通いが好きだった。

というのも・・・整形外科の通院なんてせいぜいレントゲンとるぐらいだし、痛い思いはしない上、普段会社で忙しく働いている親父がつきっきりでいてくれるし、しかもお菓子や漫画は買ってくれるし・・・はっきり言って、かけっこからお弁当を食べるスピードまで競わなきゃならない幼稚園にいくぐらいなら、病院の方がよっぽどよかった。


物心ついたときからボクはどちらかというとのんびりした性格だったのかもしれない。

他人のペースに合わせるのが嫌、というのは少し違う。

他人の早いペースについていけないようなちょっととろい子供だったのだ。

ボクは幼い時から『競争』があまり好きではない。

というのは勝てないからだ。

勝てないのはなぜかと言えばそれは簡単。のんびりしすぎて勝負事に向いていない性格だからである。

だから幼稚園に行ってペースを乱される思いをするぐらいなら病院に行っている方が楽しかったのである。


ただ『競争』するからには勝ちたいと思いがでてくる。

勝ちたいが、それでも自分のペースは変えたくない。だが勝つためにはペースアップしなきゃならない。そういう葛藤と戦って大人になってきたとも言えるだろう。


話が少しそれるが今はさほど『勝ちたい』とは思わなくなった。

自分なりの努力をして、自分が満足できる結果が出せればそれでよくなったのだ。

つまり『オンリーワン』というやつである。

とにかく、ボクはせかされるのがキライである。

『早くやれ。』と言われると結果がだせないのである。

この点に関しては今でも変わっていない。


介護の仕事に就く前は製造関係の仕事だったから納期というものがあった。

納期があるから『のんびり』なんて仕事してられない。

やはり『早くやれ!』と言われてしまうのである。

ただ、これも慣れで、しっかり数年間同じ仕事を続ければ早くできるようになったのかもしれない。

でもやっぱりせかされるのは嫌なのである。


そういった意味では今の仕事はあっていたのかもしれない。

基本的に介護の仕事に早く作業を終えるということはない。いや・・・まったくないとは言わないが、早くすることはあまりいいことではないとボクは思っている。

というのは高齢者はみんなそんなに早く行動することができないからだ。

ゆっくり作業をしてあげることで利用者には安心感を与えることができる・・・とボクは思っている。

そう考えるとボクにはこの分野では才能があるのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ