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初めて行った定食屋で言ってみました




「マスター、いつもの」




出てきたのは豚のしょうが焼きだった‥‥

 それから翌日の朝――魔理沙の家   



 川上は客室でゆっくりと睡眠を取っていた、この世界に来てからやっと安全に休める場所に来れて彼も少なからず安心していた、ちなみに寝ている彼が着ているのは大きめでシンプルな和服、魔理沙に貸してもらったのだ。



 着ていた服は血糊が付いてしまっていたので洗濯した。



 「川上ー起きろー朝ご飯作ったぜ!」



 そういいつつ川上の寝る客間に入ってきたのは家主である魔理沙だった。



 「‥‥ん、あぁ、おはよう、一服してから行く」



 魔理沙の声で目が覚めた川上は普段でさえ眠たげな眼なのにさらに濁った眼をしていた、気だるげにタバコに火を付けた。


 「あいよ、とっとと来いよ、味噌汁が冷める。」



 そう言い魔理沙はリビングから出ていく、川上は寝起きの一服をことさらゆっくりと燃焼させニコチンを馴染ませ、身体を覚醒させた。



 そして魔理沙手製の朝食、献立は焼き魚に味噌汁、ご飯と実にシンプルだった――を取り、川上が例によって食後の一服をしていると唐突に魔理沙が言った。



 「今日は出かけるぜ」



 「そうか」



 川上の返事はどうでも良さそうだった。



 「そうか、じゃなくてお前も一緒にくるんだよ」



 「何故だ?」



 川上はまさか自分も着いていくとは思っていなかったのだ。



 「そのほうが面白いからだ」



 「成る程」



 川上は変に納得した、面白いのなら仕方ない、川上はそう思った、やはり川上は魔理沙に似た所があるのかも知れない。



 「出かけるって何処にだ?」



 「今日は紅魔館に本でも借りにいく」



 「コウマカン?それは図書館か何かか?」



 「まぁ、館の中に図書館もあるな、ただ紅魔館自体は吸血鬼の姉妹が住む家だ、他にも図書館に魔女とかメイドとかもいるが。」



 「盛りだくさんな所なんだな、吸血鬼ってのは聞くだに危険そうな奴だが」



 「まぁ、確かに強い妖怪だが根は子供だからそうでもないぜ、多分お前が言っても多分死にはしないぜ」


 「なら問題なさそうだな」



 「あぁ、じゃあ行くか」


 「断る」



 「はぁ!?」



 この流れで川上はまさかの拒否をした。



 「なんでなんだぜ!?」


 「いや、面倒」



 川上の断りの理由は簡潔だった、彼は快楽主義だったが気分屋でもあった。



 「そんな事言わずに一緒に行こうぜー」



 「だが、ただ単に本を借りるだけなら俺がくっついていく必要も感じられないのだが」


 

 川上はそう疑問を述べた。



 「いや‥‥だって一人で行ってもつまらないじゃないか‥‥」



 魔理沙は顔を伏せ若干もじもししながら言う、以外と寂しがり屋なのかも知れない。



 「ふーむ」



 川上は少し考える、まぁ何やら色々いる場所らしいし着いていけば暇潰しくらいになるか、そう思いなおした。



 「わかった、行こう」



 「ホントなんだぜ!?じゃあ一緒に行くんだぜ」



 川上の返答にパッと顔を輝かせ嬉しそうに魔理沙は言う、案外人懐っこい奴なのだな、川上は思った。




 とりあえず装備はと川上は考える、普段の服はまだ乾いてない、だが借りた和服はゆったりとしていて意外と動きに支障はない、帯も刀を差すのに丁度良さそうだ、適当にナイフと手裏剣を忍ばせ、刀を差し野太刀を背負うと川上は準備を終えた。



 「準備はいいぞ」



 「よし、じゃあ早く行くんだぜ」



 そして二人は家を出かけていった。

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