3話
ドラセナのラウンジ個室。
ガラスの向こうに、夜の都市が広がっている。
テーブルの中央には、
凍結されたともこのチャンネル画面。
しばらく沈黙が続いたあと、
ちくさんが小さく口を開いた。
ちくさん「……私たち、何人集めればいいんでしょう」
リア「分からない。でも、“知ってる人間”が必要だ。ともこを、ただの数字じゃなく“人”として覚えてる人間」
ドラセナは、静かにうなずいた。
ドラセナ「なら、時間を無駄にできません。同時に動きましょう」
リアは、テーブルに地図を投影する。
リア「二手に分かれる」
ちくさんとドラセナは顔を見合わせる。
リア「ちくさんとドラセナは、なまこのところへ。
あいつは元運営で、ともこに少しでも資金を出してたから助けてくれるはず」
ちくさん「……私、行きます」
ドラセナ「一緒に。守りは、私がします」
リアは、もう一つの地点を指した。
リア「俺は—— “ハッピー特別支援ホーム”へ行く」
ちくさんの顔が強張る。
ちくさん「え……あそこって……」
リア「障害者やデブ気持ちの悪い奴を収容する場所」
リアは、ゆっくり立ち上がる。
リア「ともこを知ってる奴が、必ずいる」
三人は、それぞれの目的地へ向かった。
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ハッピー特別支援ホーム
リアは、その前で立ち止まった。
ここにいるのは気持ち悪いやつ。
でも、まだともこを見続けているやつもいる。
車椅子に座ったゼニガメが、静かに待っていた。
ゼニガメ「中、案内する」
リア「死にかけ癌迷うなよ」
ゼニガメは、ゆっくりと車椅子を押し出す。
重たい自動扉が、センサーに反応して開く。
長い通路。
壁は落書きとひび割れだらけで、廊下の奥からは誰かの怒号と吐息そして何かを貪る音。
ゼニガメが、かすれた声で言った。
ゼニガメ「……ここにいるのは、社会に不要なやつらだ」
リアは無言で進む。
そして角を曲がった先。
ジャイアンと、いっと。
ジャイアンはいっとの前に立ち、いっとは困惑してる。
ジャイアン「いっとちゃん♡ ちんちんぺろぺろさせて」
いっと「ガチキモ Vブタ死ねよ」
リアは冷えた目で二人を見る。
ゼニガメ「……あいつら今でも毎晩、ともこのアーカイブ見てる」
リア「ともこはいねぇのに見るのはやめられねぇか」
ジャイアンが振り返った。
ジャイアン「悪いかよ」
リア「普通にきめぇよ」
その瞬間、鈍い音と共にリアの足元を何かが横切る。
周りは真っ赤に染まり後ろを振り返ると見覚えのある頭部が転がっていた。




