祈り願う
朝になったのか? 身体が温かく感じる。
縮こまっていた身体を起こし、地表からチョットだけ頭を出して頭上を見上げた。
空を覆っていた黒く分厚い雲が無くなり、青い空が頭上に広がっていて青い空の上から暖かい陽光が降り注いでいる。
長い長い夜が終わりやっと朝になったのだ。
身体を荒れ果てた大地から突き出し、青空目指して伸ばす。
周りに目を向けると同じように朝の陽光を感じ取った沢山の草木が、大地を突き破り青い空に手を伸ばすように生えて来る。
瞬く間に薄汚れた茶色い大地が緑で埋め尽くされて行く。
身体を伸ばしきり赤い1輪の花を咲かせる。
花の蜜を吸おうと、私たち植物と同じように大地の奥底で朝を待っていた虫たちが寄って来た。
大地は色とりどりの花々で覆われる。
だが、私たちを慈しみ愛でてくれた者たちはいない。
黒く分厚い雲が空を覆い夜が続く間、彼らは大地の奥底で眠り続ける事が出来なかった。
だから今、暖かい陽光を浴び命の営みを再開した私たちは彼らの冥福を祈り、何時か私たちを慈しみ愛でてくれる者たちが現れる事を願う。




