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炉簿戸家のチャミ(8)お母さん、トレーニングをする

作者: 笹木 人志

「ウチの会社マジでブラックだわ」とお母さんが、自室から2日ぶりに出てきました。そして、居間で倒れ込むようにして寝てしまいました。


「まったく、よく体が持つものだな」お父さんは、ぐったりしたお母さんをぐっと持ち上げようとしましたが、どこを持ってもずるっと落ちてしまいそうになります。「こんにゃくか、こいつは」と言いながらも、何度も持つ場所を変えてみましたが、お母さんの体はずるっとお父さんの腕から逃げてしまいます。


「良いのがあるよ」それを見ていた婆さんは、一度居間から出ると、やがてヘルメットを持って、チャミというロボットと一緒に戻ってきました。


「なんですかそれ」お父さんが訊きました。


「運動神経同期マシンとでもいうかな」とお婆さんは、ヘルメットをお母さんに被せました。「チャミ、お母さんと同じ姿勢を取って」


「はい」とチャミはお母さんの隣で、同じ姿勢を取りました。そこで、お婆さんはヘルメットのスイッチを入れ、チャミに、立ち上がりなさいと命令すると、チャミと同じ動作をしてお母さんも立ち上がりました。


「これはいいですね」お父さんは思わず、拍手をしました。


「チャミお散歩行こう」そこへショウちゃんがやってきて、むりやりチャミを連れて散歩に出かけました。後から、お母さんもついてきますが、明らかに眠ったままです。


やがて1時間ほどして帰ってくると、まだ眠ったままのお母さんはベッドに入り、お婆さんはヘルメットを外しました。

翌朝、お母さんは目を覚ますとぼんやりとした眼差しのまま、居間にやってきました。

「頭は少しすっきりしているけど、なんか変に疲れがあるし、足の筋肉痛もあるのよ、だからまた寝るわね」と言って寝室に戻ってしまいました。


「いつも、動かないから、良いトレーニングになったかな」お婆さんがくすっと笑いました。


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