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第7話 デート当日

 ついにデート当日を迎えてしまった。色々と考えてみたがこれでいいのか自信が持てていない。それに結局琴美さんのアドバイスをもとに準備をした。

 漫画の知識を言っていたってという事を知っているのに……それも不安の原因だ。

 だけどいつまでもぐちぐち考えていても仕方ない。覚悟を決める。


 今日のデートはお昼前に集合してご飯を食べるところからスタートだ。それとデートっぽく待ち合わせ場所を決めてある。今そこに向かっている。


 近づきにつれて少し緊張が増してくれ。


 今日のために新しく服を買ってみた。それにいつもはめったにやらない髪の毛のセットもしている。身だしなみは悪くない……と思う。


 時間を確認しながら足早に歩く。そして待ち合わせ場所が見えてくるとそこにはすでに紗妃の姿があった。


「悪い! 遅れた」


「そんなに待っていないから気にしないで」


 約束した時間までは余裕があったが予定時刻よりも早く来ていたようだ。


「それに私が早く来過ぎただけだから」


 そういう紗妃の服装を改めて見る。

 ショートパンツからのびる白くきれいな脚は思わず視線が引き寄せられてしまう。足元はブーツをはいておりいつもよりも目線が近くなっている。意外と言っていいものかわからないが紗妃の身長は思っているよりも小さい。普段のクールで大人びた印象のせいか身長が高いと思ってしまうのかもしれない。上はゆったりとした服を合わせているが、そのスタイルの良さは健在だ。肩からは小さめバッグが下げられている。


 全体的に紗妃の魅力を引き立たせており非常に似合っている。


「……」


 つい見とれてしまった。そんな状態に気が付いた俺は誤魔化すように何か言おうとしたが、紗妃の顔を見てやめた。


 紗妃がじっと黙ってこちらを見ていたのだ。


 不審に思った俺は声をかける。


「どうした?」


「ぇ?……今日はいつもと印象が違うのね」


 俺の声掛けに少し驚いたように反応したかと思えばいつも通りに戻る。


 紗妃に言われて自分の身なりを見る。


 確かにいつもと違うかもしれない。服は今日のために買った綺麗目な服装だし、髪もセットしている。


「髪を上げているところなんて初めて見たわ」


 そもそもほとんど髪の毛のセットなんかしない。今回はデートという名目だし、琴美さんに言われたのでやっているのだ。


「ふーん……」


 じろじろと物珍しそうに見てくる。その視線がむず痒い。


「変か?」


「そんなことないわ。印象がいつもと違ったから驚いただけ。なんだか新鮮だわ」


 そういってほほ笑む紗妃。どうやら似合っていないというわけではないようだ。紗妃の様子を見るに思ったよりも好印象のようだし。


「こんなところにいつまでもいても仕方ないし行くか」


「そうね」


「少し早いけど先にお昼にしよう」


 そういって俺たちは並んで歩き出し、ネットで事前に調べておいたカフェへと向かう。おしゃれでデートにいいと評判だった。


 しばらく歩くと目的のお店が見えてくる。お昼ご飯の時間には少し早いのでお客の数は少ない。


 奥の席に案内された俺たちは座ってメニューを開く。


「いい雰囲気のお店ね」


「そうだな。客の数も少ないしちょうどいいな」


 カフェの中はコーヒーのにおいや食欲をそそられるにおいで満たされている。


「おなかすいてきた」


「さっそく注文しましょう」


 二人でメニュー見ていく。


「俺はパスタにしようかな。おすすめって書いてあるし」


「私はオムライスにするわ」


「飲み物はどうする?」


「水でいいわ」


「了解。すみません!」


 店員を呼び注文を済ませる。少し待つと料理が運ばれてくる。


「ごゆっくり」


 そういって店員は店の奥へと消えて行った。


「食べるか、いただきます」


「いただきます」


 一口。


「おいしいな」


「えぇ、とってもおいしいわ」


 値段はそんなに高いわけではないがとてもおいしい。雰囲気も良いしデートにぴったりだというのもよくわかる。


「俺の方の食べてみるか?」


「いいの?」


「もちろん」


「なら一口貰うわ。私のもどうぞ」


 俺たちはお互いに相手の料理を一口ずつ食べる。昔からこんな感じだ。


 カップルならあーんとかして食べさせるのでは?そんな考えが一瞬浮かんだがすぐに消す。


「おいしいわ」


「だろ?」


「えぇ」


 俺たちはいつもと変わらず何の変哲もない話をしながら食事を楽しんだ。


 俺の方が先に食べ終わり紗妃が食べ終わるのを待ってから会計を行う。


 店員から値段を聞きお金を払おうとしたところで紗妃が待ったをかける。


「自分で食べた分は自分で払うわ」


「いいって、バイトもしてるし」


「でも……」


「ここは年上としてかっこつけさせてくれ」


「……わかった。でも次は私が払うわ」


 納得いっていない様子の紗妃。このくらい本当に気にしなくていいんだが……俺だって紗妃にお世話になっているしお互い様だ。まぁ、紗妃らしいといえば紗妃らしい。


 会計を終え俺たちは店を出た。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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