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プロローグ

世の中には、相手を殺しても罪に問われない合法的な遊びがある。


操作するキャラクターの視点でフィールドを自由に動き回り、手にしている武器で相手を蹂躙していく。どれだけ相手をボコボコにしても、捕まることはない。


まさに"抜け道"のようなストレス解消法……それがガンシューティングゲーム。


ただ目の前の敵を倒していれば、みんなが羨望の眼差しを向けてくれる。乱暴に言えば、過程はどうでもよく、勝てばいい。面倒な忖度も、空気を読む必要もない。ただ純粋に勝ち負けで全てが決まる。


ゲームの世界は結果が全て。勝ったやつが正義なのだ。シビアだと感じるところはあるものの、そんなシンプルな法則で成り立っているゲームの世界が自分にとっては心地よかった。


それに、ゲームをしている間は現実の面倒なことを考えなくても済む。このまま現実から目を背けて生きていけたら、どれだけいいだろうか。


薄暗く足の踏み場もないくらい散らかった部屋。トイレ以外で部屋から出ない生活をしていると、時間の感覚がどんどん麻痺してくる。


あまり言いたくはないが、俺は俗にいう"ひきこもり"というやつだ。朝眠りにつき夕方頃に起きる。そんなひきこもり生活を半年ほど続けている。


内閣府の調査によると、今の日本には約61万人の"ひきこもり"がいると言われている。ひきこもりの原因はさまざまだが、おそらく人間関係が大きな要因になっているのではないかと思う。


イジメ・パワハラ・セクハラなどから、なんとなく職場や学校の人間関係に馴染めないなど。人間関係にまつわるトラブルは枚挙にいとまがない。


意志の力で乗り越えられる人もいるが、全ての人間が強いわけではない。自分なりに足掻いてみたものの、どうしようもなくなり、結果ひきこもりという選択をしてしまう。そんな人も沢山いる。


もし、ひきこもってしまったら、どうやってその状況を打開したらいいのだろうか。


実は、精神的な問題を除外して考えるのであれば、ひきこもりから脱するのは難しい話ではない。部屋から出て、新たな第一歩を踏み出せばいいだけだ。実にシンプルな話である。


あくまで「精神的な問題を除外できるのであれば」の話だが……


実際には、ここまで単純な話ではない。気持ちの問題は簡単には解決できないし、根性論だけではどうにもならないことも多い。


ただ、視点を変えてみると、人生は自らの行動次第で劇的に変わる可能性を秘めている。ここに異論を唱える人はいないと思う。


では前置きはこのくらいにして、ここからは、ひょんなことから"はた迷惑な能力"を手に入れた俺の話を聞いてほしい。


もし気持ちの問題が解決されるのであれば、どのように困難に立ち向かっていけるのか。そして、どのように道を切り拓いていけるのか。


俺が手に入れてしまった能力とあわせて語っていこう。

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