腐る通貨や仮想通貨に関する考察
作者は経済学者では無いので、ここでの考察はあくまでも個人的な理解の範囲内で行っております。
間違いがあると思いますので、ばしばし感想などでご指摘下さいm(_ _)m
先日、お気に入りユーザーさんのキャッシュレスに関するエッセイを拝読して、なんとなくプペルに出てくる腐る通貨を思い出して、割烹にて考察を書こうかな、なんて報告したところ、なんとエッセイを書かれた本人から、是非とのお言葉を頂きましたので書いて行こうと思います。
さて、私はプペってないので、例の作品は未見なんですが、作中に腐る通貨なるものが出てくると聞いたことがあり、また原作の西野氏は腐る通貨は自分の発見ではないと発言しているらしいので、この腐る通貨なるものが、恐らくはゲゼルマネーのことだろうと推測しています。
ゲゼルマネーは、第1次大戦前のドイツの思想家、シルビオ ゲゼルの提唱した価減通貨のことで、ドイツの一部地方地域で実際に使われていたようですね。
発行された証書の額面の2%の収入証紙を毎月購入して貼り付けないと使えなくなると言うもので、例えるなら、1万円の証書なら、毎月200円払わないと使えなくなるわけですね。
価値が目減りしていくわけですから、期限内に使おうとして、経済の流動性が促進されるわけですね。
現在だと、期間限定のクーポン券や地域振興券、キャッシュレスで加算されるポイントなどがゲゼルマネーだと思います。
さて、プペルの世界では、この腐る通貨が主軸通貨だったようですが、これは可能なんでしょうか。
通貨には3つの構成要件がありますね。
決済に使える
蓄財出来る
物価のコントロールが出来る
この3点が通貨には必要なんですが、腐る通貨や仮想通貨はこの当たりが不十分なために、主軸通貨とするのは危険だと、私は思ったりしています。
決済に使える
これはそのまま支払いに使えると言うことですが、プペルの世界の通貨は文字通り腐ってしまうらしいので、信用が出来ないですよね。だって支払いに使われた瞬間に腐ってしまえば、それを他に使えませんからね。スタンプ通貨とも呼ばれたゲゼルの証書は額面は変わりませんから、証書の価値は変わりません、ただ、使わずに持っていると、毎月、額面の2%を払い続けなければ使えないだけです。
プペルの世界の通貨はどちらかと言えば期間が限定された金券に近いでしょう、期限が1ヶ月残っていれば額面通りに買い物が出来るかもしれませんが、期限が明日に迫っていれば、受け取りを拒否されるかもしれませんね。なにせ、その金券が主軸通貨なら、それを別の通貨に換金出来ませんからね。
こうなると、給料を貰った人の行動は一つですね、とにかく換金率の高くて、価値が安定している貴金属などに一旦、買い換えて、物々交換を始めるんじゃないでしょうか。
仮想通貨の場合は価値の乱高下が激しいために決済に使うには不向きですよね(^-^;
蓄財出来る
仮想通貨は価値の乱高下で損をする場合もあるでしょうが、一応の蓄財は出来ますね。様々な要因から儲けることが出来るのはほんの一部でしょうが、それでも、資産が増える可能性もあります。
腐る通貨は蓄財は出来ませんね。主軸通貨が腐る通貨になれば、貴金属の価格は高騰すること間違いなしです。
物価のコントロールが出来る
主軸通貨が別にあるなら、仮想通貨や腐る通貨は地域の経済を活性化させたり、投資市場を活発にするでしょうが、腐る通貨そのものが主軸通貨だと、物価は高騰するでしょうね。
なにせ、通貨の価値が安定しないどころか、いくら作ろうが価値が落ち続けるんですから、また、通貨の供給と通貨の腐るスピードのコントロールを誤れば、とんでもない通貨不足に陥りますから、市場は大混乱になるでしょう。安全策で債権や証券、貴金属などによる取引が横行すれば通貨の価値そのものが無くなるかもしれません。
結局のところ、金本位体制から、国の信用を担保に発行されるようになった通貨の後ろ楯は「信用」という幻想でしかありませんから、腐る通貨や投資対象として価値が安定しない仮想通貨では主軸通貨にするには不十分なんだと思います。
現金でも、様々なリスクはあります、結局のところは流動性がさがり、経済が拡大するなかで貨幣の価値があがれば、相対的に物価はさがりますが、これによっておきるのは賃金デフレですから、現在の日本でおきているのも、こうした閉塞ですよね。
だから、ベーシックインカムによる、ゲゼルマネーの投入などで流動性を高めて、貨幣価値を落とし、多くの資産家から金を吐き出させて経済を回すことは意味があるかもしれません。
まあ、机上の空論ですけどね。
最後にキャッシュレス化の一番の天敵は現状はハッカーよりも災害でしょうね。
大規模災害で長期間停電などが起きた場合、キャッシュレスは使えない可能性が高いですから。
感想お待ちしていますm(_ _)m
殴られる覚悟は出来てるぜ(*´・ω・`)b