ジェントル団
フシミタウンを旅立った、主人公ヒロシの快進撃は続く。
狭い業界とは言え、博士と呼ばれる人のお古なのだ、宿るジャケモンが弱いハズはない。あるときはジャケモンの力でゴリ押しし、あるときは拙いながらも若さを武器にジャケットの着こなしで魅せ、バッタバッタと各地のジャケモンモデルの卵たちに勝利していく。
もちろん、いつまでも博士のお古に頼っていたいわけではない。
主人公ヒロシだって、自分のオニューのジャケットが欲しい。決して博士のお古のジャケットから加齢臭が漂ってくるからではない。たぶん。
頑張るモチベーションにはなっているかも。
そんな主人公ヒロシの前に立ちはだかるのは、スカジャンを着たジャケモンモデルの卵ばかりではない。そう、ジェントル団である。
ジェントル団とは、スカジャンではなく、シックなジャケットを羽織る集団で、スカジャンのように背中ではなく、ジャケットの内側の刺繍を紳士的にチラりと見せることでジャケモンの力を引き出してくるのだ。
「スカジャンはジャケットではない、我々こそが真のジャケモンモデルである」
なんとなく頷きそうになるが、正義がそれぞれの心の中にあることを知っている主人公ヒロシは、ジャケット団と戦うことに躊躇いはない。