剣聖、前世を振り返る
ちょっと人気でたら続ける
126年……これは俺が生きた歳月の総数だ。転生なんてものは眉唾だと思っていたが実際体験してみると不思議な感覚がする。
前世…俺がリーヴェル・ダンマーク。【虚剣】と呼ばれ多くの人々から尊敬と畏怖そして憧れる剣聖として生きていた頃の話をしよう。
俺は山奥の村で生まれた。人口20人と都である王都から2つ山を越えた所でほっそりと生活をしていた、父と母は狩人として山へ狩りに出て村での食糧不足解決に力を入れていた…両親は元冒険者で田舎でゆっくり暮らしたいという理由でこの村に住み始めたという
元冒険者であり現狩人である両親の間に生まれた俺が最初に習わされたのが剣術と弓術だ……とは言っても弓術は2ヶ月ちょっとでマスターしてしまったのだが…
それでも剣術はマスターする事はなかった。これは自分の生涯最後まで決してなかった。
剣術…剣を振るのは楽しかった。環境がよかったのも1つある、周りはどこを見渡しても森、森、森!とりあえず木か巨石しかないのでとにかく切りつけまくった。没頭しすぎて夜になってた時もあった
目の前の大木に向かってトップスピードで駆けその勢いのまま左斜め下に切りつける!その勢いのままジャンプして体を捻る。
大木とは反対の向きになり後ろにある大木を思いっきり蹴っ飛ばして目の前にある木を横に一閃、体を少し逸らして最低限の回避で木と衝突するのを避け、着地と同時に右にある木から斜めに切り上げそのまま後ろにある木を切り下げる。
幾度となく繰り返しやってきた独自の特訓法。この特訓法に終わりはない、体力の続く限り永遠と続く特訓。目に見えた木を切り、さらにまた切る
判断力、スタミナ、反射神経、剣技術をまとめて鍛える子供がよく考えるような特訓方法…現に今俺がやっている訳だが……
この頃、魔力にも恵まれたらしく。微量ながらもある魔力を独学と気合いとノリで強くしていた。おかげで魔力を体内に巡らせることで一般的には【身体強化】と呼ばれる物を擬似再現する事が出来るようになっていた。
おかげで特訓の幅も広がり『技』を考えるようになっていたのだが悲劇が起こったのだ。
俺がいつも通り村で特訓に励んでいる間に村が何者かに襲撃され壊滅していたのである。所々では民家が燃え、血や肉片が飛び散っている。
俺は急いで自宅に向かって走った、程なくして自宅が見えてくる。幸い家は崩れていなかった…一縷の望みを持ってドアを開けたが中は凄惨なものだった。家具は壊され、窓枠は吹き飛び…人であったものは原形すら留めていなかった。ただ1つだけ本当に小さいが呼吸音が聞こえた
父であった。
「リーヴェル…生きて、いたか…ゴホッ!」
「父さん!もう無理しないで」
「いいか……よくきけ…この惨劇のゴハッ…原因は……教会だ……」
「そして忘れるな……努力を怠るな…技を磨けば」
「うん、う゛ん……」
「きっとそれは……お前の役に立つ…」
「と゛う゛さ゛ぁん……」
「生きて……いき、のび……ろ…リーヴェル……」
父さんはそう言って息を引き取った。優しく時に厳しい父親だった…
その瞬間激しい憎悪が芽生えた、村を壊し大切な人達を奪っていった教会に対してその時初めて復讐心が芽生えた。だから俺は力を身につけることにした、父が言っていた技を磨く…まだその技はひとつとして完成されてはいないが、少し時間があればいくつは作れる考えだった。
だから俺は決めた。
まずは技を完成させある程度熟練度を上げておく。その後街に出て冒険者として活動して資金や装備を調達する。もちろんその間にも鍛錬は続けていく予定だ。そしていつか教会に復讐をする…これが俺の前世での原動力である。
復讐は果たした…間接的ではあるが。冒険者として最初の頃は働いていたがランクが次第に上がってくると軍への入団を薦められた。軍は色々な見方があるが1つは国民の為に戦う部隊、2つは国民を取り締まる部隊と分かれていて俺はその2の方に所属していた。
違法奴隷の販売、危険薬物の密売、貴族間の横領や賄賂など一般的には裏と呼ばれる事を取り締まるのが俺らの主な仕事だった。そしてその中に教会絡みの案件も当然含まれていた…
教会関係の組織を片っ端から潰していき最終的には教会を潰す事に成功した。望んだ終わり方ではなかったが復讐は終わり残りは軍での教官として過ごしていた。
なぜ教会が故郷を襲ったのかは分からないが仇を取る事が出来てよかったとおもっている。
そうして長い任期を終え。貯金で買った家でゆっくり余生を過し亡くなった…訳では無い。俺としてもそっちの方が楽だったのだがそうはいかなかった
俺は暗殺された。多くの裏組織を潰した事による裏社会の刺客によって。身をもって知ったよ…復讐には復讐がかえってくるとね
だからこそ思う。今世はどうか
ゆっくり暮らしたい
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