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第一章 第一話 未知との遭遇

俺は明るい夜道を歩いている。

化学が発達して出来たこの眠らない世界でぼんやりと歩いている。


衝撃で理解した。ぼやっとしていたせいか誰かに当たってしまった。煙草を加えた大柄な男だ。近所の高校の学ランを着ているから高校生で間違いないだろう。


「すみません。」


謝らないと不味い事になりそうだなと感じて男に対して謝罪する。


「危ねぇだろ!前見て歩け!」


そう言い残し不良はその場を去っていった。

安堵の溜息が出る。その溜息自体には自分への戒めも含まれていた。

考え事をしていたらとてもぼんやりしてしまう。気分を切り替えないと。


最近毎日夢を見る。見たことのない誰かが誰かと見たことのない草原で駆け回っている夢だ。

二人とも楽しそうにしている。


幸せそうな夢だが何かが引っかかる。


何故今になって毎日同じ夢を見るのか。

それも鮮明に記憶に残っている夢だ。


夢の中の景色は視力が低い人が見るように歪んでいるが、その夢自体は朝起きてからずっと覚えている。


-----考え事をしている内に朝になってしまったようだ。


そんなことはあるはずがないし・・・ってここはどこだ?


殺風景で周りには草と岩があるだけ。

辺りを見回しても単調な風景が広がっているだけだ。


一体何が起きているんだ?これがよくラノベとかにある異世界転移ってやつか?

考えていても仕方ないからとりあえず歩き回ってみるか。気分を切り替えていこう。


―――――ガアアアアアアアアアア―――――――――

熊のようなものに遭遇した。

二足歩行で黒色の毛が体中に生い茂っていて赤い瞳

自分の身長の何倍もある。大体8メートルくらいか!?


それは真っ直ぐ自分の元へ走ってくる。

周りに逃げ隠れできそうな場所は無い。


「やるしかないか・・・」


震える自分に自らに喝を入れるように呟いた。

そして俺は頭の中で2:1という数値を思い描き、切り替えた。

瞳孔が拡張する。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺には産まれ持っている能力がある。

それは交感神経と副交感神経の割合を切り替えることが出来るという事だ。

気づいたのはいつ頃かは覚えていないけど感覚で分かったのだと思う。


この能力を利用し交感神経をの割合を上げる事で筋肉を強制的に強化して挑んだ小学校の運動会ではボルトをはるかに超えるようなタイムが出た。この子はオリンピック選手だ!とも周りから謳われていた。


しかしその次の日には両足を骨折していた。医者からは足への負担をかけすぎたからだと言われた。

その時以来俺は交感神経を過度に刺激させることは止めた。周囲の人は見間違いだったんだと年月が経つごとに勝手に納得していった。


副交感神経の割合を高くするのは高校受験に大いに役立った。とても注意深くなり集中力も思考の速さも上がることで短時間でとてつもない成果を出すことも出来たし、試験本番でリラックスできたお陰でその街にある超一流高校にも入ることが出来た。唯一の欠点は試験中にとんでもなく眠かったことくらいだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

今こそこの地からを有効活用する時が来たのではないか。

そう俺の本能が察知した。


鋭い爪が空を切る。

それを本能で察知して軽々しく避けて走りだす。空を切った風の衝撃で吹き飛ばされかけた。


普通に戦ってもまず勝てはしないだろう。


「考えるんだ・・・いい策を・・・」


走り逃げながら散らかった子供のおもちゃ箱のような頭の中で状況を整理していく。

自分の殴りや蹴りを当て倒すより殺される方が早いだろう。確実に力負けしそうだ。さっきのひっかいてきた攻撃は風圧が凄まじく軽く吹き飛ばされかけたがなんとかバランスを取り着地することはできた。


その代わり攻撃は遅いし足の速さもギリギリ勝っている。それならば相手のバランスを崩させて倒れた所に畳みかける方が良さそうだ。


敵は俺の後ろを両手を広げて走りながら追ってくる。こうやって見ると二足歩行だなんて間抜けそうにも見えてくる。熊のように四足歩行をされていたら足が速いから確実に死んでいた。


足の速さの差で少し距離のリードを広げ余裕ができたところで自分の体より1mくらい小さめな80cmくらいの岩を拾った。

ギリギリまで引き付けてこけさせるために減速した。


そして敵が追いついたときに足元に投げつけた。


敵はバランスを崩して地面に体を正面からぶつけた。その衝撃で気絶したのかわからないが一切動かない。俺は止めを刺す為に近づき岩を持ち上げ頭を粉砕した。


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