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六話 ヘビの決意

 ドングリ池に投げ込んだドングリは、動物が食べていました。

 逆さ虹の森の仲間ではない、一人ぼっちの動物です。

 たくさんのドングリがあるのに、仲間がいなくて一人ぼっちです。一人ぼっちなので寂しそうです。

 その動物は、(りゅう)でした。

 キツネは、ドングリ池にドングリを投げ込みます。


「どうしてリュウさんは一人ぼっちなのですか? どこにいるのですか? 教えてください。お願いします」


 キツネのお願い事は聞き届けられます。

 誰も知らなかった真実が明らかになります。

 龍は、なんと逆さ虹に住んでいるのです。逆さ虹に住んでいるのは龍だけで、仲間はいません。

 知りたいことはまだまだあります。キツネは、ドングリ池にドングリを投げ込みます。


「どうしてリュウさんは、逆さ虹に住んでいるのですか? 教えてください。お願いします」


 キツネのお願い事は聞き届けられます。

 龍が逆さ虹に住んでいる理由は、ドングリ池の不思議な力を保つためでした。

 逆さ虹は逆さまなので、雨が降れば虹に雨がたまります。葉っぱに水のしずくがたまるように、虹がお皿のようになって雨がたまるのです。


 逆さ虹にたまった雨は不思議な力を持ちます。

 お願い事を叶える力です。

 龍は、逆さ虹にたまった雨をドングリ池に落としていました。

 お願い事が叶うドングリ池の秘密は、逆さ虹にたまった雨だったのです。


 龍のおかげで、動物たちはお願い事を叶えてもらえていました。

 これまでずっとです。

 龍が逆さ虹からいなくなれば、ドングリ池にドングリを投げ込んでもお願い事を叶えてもらえなくなります。

 龍もわかっています。だから逆さ虹に住んでいます。

 逆さ虹には食べ物がないので、ドングリ池にドングリを投げ込んでもらって食べています。


 ドングリ池の秘密は明らかになりました。

 でも、嬉しくありません。一人ぼっちの龍がかわいそうです。

 キツネは、ドングリ池にドングリを投げ込みます。


「リュウさんは……寂しいですか?」


 お願い事ではなく、一人ぼっちの龍を心配して聞きました。

 よく晴れた青い空から、悲しげな声が聞こえてきます。

 一言、寂しい、と。

 それっきり、声は聞こえなくなりました。


「果物をたくさんもらって嬉しいように、ドングリがたくさんあるのは嬉しいと思います。お腹いっぱい食べられるからです。おいしい食べ物がたくさんあるのは、きっとリュウさんも嬉しいでしょう」


 食いしん坊のヘビは、おいしい果物がたくさんあると嬉しいです。

 たくさんのドングリに囲まれている龍を見て、ちょっとだけいいなと思います。

 ちょっとだけです。


「たくさんのドングリよりも、仲間がたくさんいてくれる方が嬉しいです。そうですよね?」


 ヘビの言葉に、みんなはうなずきました。


「リュウさんを逆さ虹の森に迎えましょう!」


 ヘビは決意していました。逆さ虹に住んでいる龍を森に迎えるつもりです。

 みんなも賛成してくれます。


「一人ぼっちだと怖いです」

「リュウさんにも歌を聞いてもらいたいです」

「いたずらして、あっと驚かせるんだ!」

「体が大きくて強そうだ。暴れられるかもしれない」

「リュウさんだけが寂しい思いをするのはダメです」


 怖がりのクマも。

 歌上手のコマドリも。

 いたずら好きのリスも。

 暴れん坊のアライグマも。

 お人好しのキツネも。

 食いしん坊のヘビの決意に大賛成です。


 龍が逆さ虹の森にくると、逆さ虹にたまった雨をドングリ池に落としてくれる動物がいなくなります。

 ドングリ池にドングリを投げ込んでも、お願い事を叶えてもらえなくなります。


 ハチミツをもらえません。

 森の演奏をしてもらえません。

 いたずらをしてドングリを取っても意味がありません。

 暴れるための人形をもらえません。

 みんなが困ってしまいます。


 お願い事が叶わなくなるのはよくありませんが、龍が一人ぼっちなのはもっとよくありません。

 こうして、逆さ虹の森の動物たちは、逆さ虹に住んでいる龍を連れてくることにしました。

 みんなの力を合わせた作戦が始まります。

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