部活と、くしゃみと、恋愛と。
すみませんだいぶ短いかもです……
*
「おい!起きろ!」
あれ、あたしこんなアラームにしたっけ?そう言えば、この声どこかで聞いたことがあるような……。ん!?
視界が一気に明るくなった。
「うぉう!?まぶしー」
お母さんが起こしてくれた…
「えぇ――――――――――――――!!」
そこに仁王立ちしていたのは、お母さんではなく、繫だった。
「え?うそ?なに?え!?なんで繫がここにッ!?」
「お前が遅刻しまくってるからだろ!ったく、お前ってやつは……」
えー……まじかー……。改めて自分を見ると、パジャマを着ていて、寝癖がひどかった。
「いや―――!!ちょっと待って!一回部屋から出て―――!!!」
「は!?起こしてもらっといてその口かよ!?」
「いーいーかーらー!!!ホンットに出てって―――!!」
私は無理やり繫を追い出した。動悸が治まらない。心臓の音が聞こえてきた。
私は慌ててパジャマを脱ぎ捨て、制服に着替えた。
ドアを開けると、繫が仁王立ちしていた。
「おー、やっぱ着替えると高校生っぽいんだな。パジャマだとガキっぽくて可愛かったのに」
「はぃー!?私高校生なんですけど!?」
ん?ちょっと待て、今の言葉かなり爆弾発言だった気が……。
「え?繫、今なんて言った?」
「同じことは二度も言いませーん!」
「えー、ちょっとちょっと、今のめっちゃ気になるんだけど!?」
「あ、遅刻するぞ!早く用意しろよ」
え!?慌てて時計を確認する。【午前7:48】、HRは8時に始まるから……
「って!?ほんとに時間ないじゃん!?」
「だから言ったろ!早く用意しろ!!」
「うぅ〜…はい……」
*
『キーンコーンカーンコーン』
「遅刻じゃーん!?」
結局、用意に10分かかり遅刻になった。のはいつも通りなのだが……
「お前ってやつはだなぁ!!」
後ろから追いかけてきた繫が叫ぶ。
「ごめんって!ほんとにごめんって!」
その後、教室に入るや否や私達は友達に問いただされる結果になった……。
「「あ―――!!なんで朝から!!」」
見事にハモった。
*
ザパァン!
水が体を激しく打ち付ける。
手で水をかき、前へ前へと進んでゆく。
「ぷはぁ!」
50メートルプールの端まできた時、さすがに息がきれた。
「んー…まだまだだなー」
と言ったのは水泳部顧問の吉崎だ。俺は水泳部に所属しているが、あまり結果は出せずにいる。
「よっしー、最後の大会までには間に合うの?」
息をきらしながら答える。この人は結構フレンドリーな人で、みんなにタメ口で話されていて、よっしーと呼ばれている。
「俺だって…」
プールの窓から見えた弓道場に向かって言った。あいつみたいに、とは、ここでは言えなかった。
「べくしっ!!」
「美優風邪ひいた?」
「んー、分かんない…。誰か私の噂してんのか!?」
「あー、水野とか?」
「ちょっとやめてよー!練習中なんだから!」
「はいはい、このリア充め!」
「まだリア充じゃない!!!」
「まだ?」
ニヤニヤしながら、私の大親友の西村千里が言った。
「ち…ちがッ!!」
「でも、繫って誰が好きなんだろ」
「さあね、私人の恋愛に口出さないタチなので」
「あーわかったわかったこの合理主義者め」
「べくしゅん!!」
「おいおい繫、風邪でも引いてんのか?」
「そんなはず、ない……」
家に帰って熱をはかったが、平熱だった。