12話 飛ばれされた理由を知る
俺の名前はアドム・ヘリオス。魔王だ
鈴木さんの爆弾発言に少し、いやかなり動揺している
鈴木さんの説明によると、
俺が飛ばれる前に、神が勇者召喚をしているのを感知
それを阻止しようと魔法で対抗
神もそれに負けじと力を込めたり、魔法式を変えたりする
このままでは、阻止出来ないと判断した鈴木さんは召喚はさせるがすぐに帰還させる魔法に変更
神はそうはさせないと対抗するが、止められない
これで終了とはならず、神は帰還させる対象のみを変更した
その対象が俺ということ
「えー、つまり鈴木さんは勇者召喚を阻止するために魔法を使ったがそれが俺に当たり、こちらに飛ばれたということで良いんですね?」
「はい、そうです」
「・・・ちなみに神とこういった事は初めてですか?」
「いえ、毎日やってます」
「ほんと何してんですか!閣下!!」
「いや、仕方ないじゃないですか。嫌いなんですから」
「嫌いって理由で神に毎日ケンカ売ってるんですか!?」
「あちらの神はやけに世界に干渉するので仕方なくですよ?」
「なんで自分が悪くないみたいな感じなんですか閣下!」
「本来、神という存在は極力世界に干渉しないのが決まりなんですよ。ここの神のように自分から干渉しないべきなんですよ。それと、私のことを閣下と呼ばないで下さい」
「俺は神の決まりなんて知りませんがそれに巻き込まれるのは勘弁して下さいよ・・・」
「ちなみに、あちらの神はアドムさんを消滅させようとしたことがありますよ?それを阻止したのは私ですからね」
「鈴木さんありがとうございました」
俺と鈴木さんとそんなやり取りをしていると本田さんが割り込んできた
「あの、今になって気になったんですが鈴木さんって一体何者なんですか?」
「しがない骨董屋ですが?」
「「いや、それはない」」
鈴木さんがとぼけるが俺と本田さんでツッコミを入れる
「分かりました。この際本田さんにも教えておきましょう」
そう言って鈴木さんは姿勢を正す
「私は悪魔です」
「あ、悪魔!?」
「ウソです。本当は変なおじさんです」
「嘘つかないで下さい!」
「失礼、変なおじいさんです」
「そういうことじゃないです!!」
「アドムさんはノリが良くてついフザいけちゃいますね」
「もう真面目にやって下さいよ・・・」
俺との漫才でご機嫌になる鈴木さん、こっちは疲れるんだよ・・・
「それで、悪魔と言っていましたがそちらの世界の悪魔は鈴木さんのような方ばかりなんですか?」
本田さんは先程のやり取りを無視して話しを切り込む
「いえ、残念ながら私ほどの力のある者は他に居ません」
「そうですか。ということは余程高位の方なのですね」
「おや?本田さんはそう言った知識があるのですか?」
「いえ、ゲームやマンガを読む時に、上級悪魔とか、下級悪魔とか出てくるのでそうなのかと」
「話が早くて助かります。本田さんの言うとおり私は高位の悪魔です」
「悪魔にも名前がありましたね。確かー」
「サタン?」
「おお、それです」
「はい、私がサタンです」
「え?え、えと鈴木さんがサタンなのですか?」
「間違えました。私が佐藤です」
「違う!」
「では東京都長?」
「違うし、危ないネタ入れないで下さいよ!!」
「ぜひとも都長には東京をもっと良くして欲しいですね」
「それただの感想!もう何の話しか分からない!!」
「アドムさんのツッコミは早くて良いですね」
「褒められても嬉しくないですよ!!」
「私も良いと思うぞ」
「なんで本田さんもそっち側に回った!これ以上面倒な状況にしないで!」
「一旦、休憩しましょうか」
「そうしましょうか」
「もう・・・誰か助けて・・・」
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