10話 おまわりさんと一緒
俺の名前はアドム・ヘリオス。ま・・・
「異世界から来たー!?」
魔王だ・・・先ほどの出来事のあと、俺はおまわりさんに抑え・・・連れられて
派出所?という所にやって来た。
「おいおい、初めに会った時はただの中二病だと思ってたが・・・今度は電波系か?・・・」
そして、俺は自分に起こった事を素直に話した。魔王だと言うことも喋った
「・・・電波系って言うのは分からないですが、お・・・私が話した事は本当です・・・信じては貰えないでしょうが・・・」
「んー、顔はアジア系って言うか日本人っぽいのに身分証もパスポートも無し。おまけに角も付いてるしなー・・・」
「いや、角はニセモノです」
「ニセモノかよ!」
スポッと角を外すといいツッコミをしたおまわりさん
「お・・・私はどうなるんでしょうか?・・・」
「んー、身分を明かす物が無いってなると不法入国って事で国外追放・・・いや、他の国でも引取先が無いからどこも引き取ってくれないか・・・ってなると浮浪者扱いするしかねぇかなー・・・」
「浮浪者?それはこの世界で生きていけるんですか?」
俺がそう聞くとおまわりさんは顔を顰めた
「・・・はっきり言って生きていくのは相当ツライだろうな。安定した収入を得られないし、アパートとか借りれないから寝泊まりにも困る。そうなると裏の仕事に手を出したり、犯罪を犯してムショに入る事で生きようとする。死んだ方がマシだと思うだろうな・・・」
「そ、そんな・・・」
まさか・・・魔王となり領民の生活をより良いものにしようと頑張って来たのに・・・ここで終わるなんて・・・
「俺の夢は、もう叶えられないのか・・・」
そう自分で口にしてしまうと、やりきれない思いが一気に溢れて来て泣きそうになった
「・・・」
おまわりさんも何も言えずに俯いているだけだった
・・・ああ、俺は知り合いもいないこの異世界で寂しく終わりを迎えるんだな・・・
「いやー、探しましたよ。アドムさん」
!?俺は後ろから自分の名前を呼ばれてバッと振り向いた
そこには・・・
「ス・・・す、鈴木さん!?」
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