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W・E s ワールド・エンカウント ストーリー  作者: ムラツユ
銀糸を纏いし訪問者
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出逢い系にご注意を

今回が初のオリジナルですがゆっくりとお楽しみいただければ嬉しいです。

※更新遅め…になるかもしれません

じいさん、ばあさん、今どうお過ごしでしょうか。もしかしたらもうすぐそっちに顔を出すかもしれません。




最近になって、幻聴やら幻視やら見えるようになりました。


…俺はもうだめかもしれません…。


――――――――――――――――――――

大学に通うため少し古めのアパートに移り住んで少し経った頃の話だ。金策に奔走したりいろいろなサービスを受けてみたりとしていると、必然的にメールの量が多くなってくる。その中にはワンクリック詐欺や、アブナイ場所への勧誘といった、いわゆる迷惑メールの用もかさばっていくのだ。





まだ、操作に不慣れなため設定を弄ったりするには勇気が必要で保留でとどまっている。いちいちすべてのメールを吟味するのが朝の日課だった。

…以前その類のアダルトサイトをうっかり踏んでしまい急いで消費者生活センターへと駆け込んだのはいい(?)思い出だ。

その時もメールチェックに勤しんでいたのだが、明らかに地雷臭のするメールを一つ発見したのが始まりだった。

一目で出会い系サイトの勧誘とはわかった。




そこにはURLと簡素に『素敵な友人が待ってます』という紹介文が添えられているだけのものだが、その日は珍しくその一通だけだったのもあり、少しだけ興味をひかれた。

その時はそれだけで終わったのだ。








「ただいまー、つっても誰か待ってるわけじゃないけどな。」


満身創痍になりながら、家へと帰宅する。まだ慣れていないことも重なって余計に疲れを感じていた。電気をつけようとして、違和感に気づく。



部屋の奥から、光が漏れているのだ。急いで現場に向かってみると。


「…やっちまった」


パソコンが出かけの状態のままで稼働していた。今月の電気代を思い憂鬱になるが、やってしまったものは仕方ないと頭を切り替える。

そのまま椅子に座ってパソコンを操作しようと画面を見やると、朝にみたメールが視界に入った。


「『素敵な友人』…ね、はぁ、だめだ。ナーバスになってるな」


こちらに来てひと月もたってないこともあり、また大学も始まってないため周囲とのつながりが薄かった。

もちろん友達なんていやしない。

いまでは、期待よりも不安のほうが勝っている。だからだろうか


「…一度くらいは、覗いても大丈夫だろ。詐欺だとしても無視すればいいんだし。」


こんなことを思ってしまったのは。

誰もいないのに、周囲を見渡しわざとらしく咳払いをする。


「ま、まあこんな女々しいもの見る必要はないな。削除削除…て、あー手が滑った!」


カチッ




URLからとんだ先は真っ暗なスクリーンだった。というか画面が真っ暗のまま動く気配がない。


「…おいおい、まさか壊れてないよな。買ったばっかだぞ。」


カリカリと音を立てるだけで微動だにしないパソコンを見て、自分の失態を悟る。

仕方ない、強制的に電源を切って様子を見るか

電源ボタンに手を伸ばしたその時、フッと画面に光がともる。壊れたわけではないことにひとまずの安堵を覚える。それも一瞬のことだった。

スピーカからはこの世のモノとは思えないおぞましい音が聞こえ、画面には多様の絵具を混ぜてぶちまけたかのような渦が映し出されていた。

渦がぐるぐると回り、いずれ中央に一つの文字となって表れる


「『契約は成された』?」


次の瞬間、画面から強烈な光が溢れ部屋全体を包む。

ナニカに体を押されて。背中から椅子ごとひっくり返った。







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