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プロローグ ~ひとり~
どうも、源俊一と申します。
別のサイトでも、載せているものですが、再編集して掲載しています。
youtubeでボイスドラマ化していますので、そちらも是非。
感動していただくと、嬉しいです。
ゆっくりと時間が流れていく。
個室の病室。
病院の独特の雰囲気、匂いに包まれながら。
単調に鳴る、機器の音を聴く。ひとり。
ただただ、流れる。ひとり。
ありがとう。おめでとう。さようなら。
おかえり。ただいま。またあした。
何回言ってきたのだろう。
そんなありきたりな言葉。
今日もまたどこかで。誰かが言っている
それが、もし。なくなったら。
僕は何を伝えるべきだろう。
いつも通りがなくなることが、いつもを知ることになって。
いつも通りがあることに、気づけなくて
だから、泣いたんだ。いつもの景色に。
誰だって変わらない。ただ一つの景色。
特別なんてない。同じ色。
特別だとおもってた。僕のいつも。
だけど。やめた。気づいたんだ。
これが、僕のいつも通りだってこと。
そして…もう一つ。
……握った手を、握り返した。




