~出会い~
私の名前は、水田沙希 (みずたさき)
私は、前、私には旦那がいたんだけど・・・
あることがきっかけで、今は一緒に暮らしてはいないんだ・・・
今から、あなただけに、こっそり教えてあげるね
それはいまから10年ぐらい前のことだったかな・・・
その日、雨がふっていたんだけど、傘がなくて
困ってたんだ・・・
「どうしよう・・・傘がないし、ケータイもこんな日にかぎって忘れちゃったしなぁ」
そのとき後ろから男子に声をかけられて・・・
「傘・・・使えよ」
「え?」
「使えって」
「で・・でも・・・」
「いいから!」
そういって走って帰っちゃったんだ・・・
その男子は学校のなかでも、すっごい不良でうわさになってる人だったんだ
「あ!ちょ、ちょっと・・・ どうしよう?」
結局私はその傘を使って帰ったんだけど
それが、私の恋の始まりだったのかもしれない・・・
~次の日~
(ピピピピ)
「うるさいなぁ」
「・・・・・」
「沙希~!起きなさいよ!!」
「・・・・・」
「もう!」
「・・・・あ!!今何時??
えぇ!!も、もうこんな時間!?急がなきゃ~!!」
「もう!お母さんなんで起こしてくれなかったの?」
「起こしたわよ!!あんたが起きなかったんでしょう!」
「(ギク)ごめんなさい・・・」
「まったく!」
「早くしたくしなきゃ遅れちゃう!!」
「いってきま~す」
「いってらっしゃい!」
~学校~
「まだ、来てないかな?昨日の男子・・・」
「・・・・・」
「来ないし・・・てか怖い・・・不良私苦手なんだよなぁ」
すると、前からいかにも悪そうな男子たちが集団になって
歩いてきた・・・そして、昨日の男子は、集団の中心に立っていた・・・
「ど、どうしよう」
でも、そんなこと考えてたら渡せないし・・・・
「あ、あの」
すると、男子達がいっせいに私の方を見てきた
き、緊張するなぁ
「あの、昨日は傘、ありがとう・・・」
「あぁ、昨日の、別に返してもらわなくてもいいんだけど?」
「で、でも・・・悪いから」
「いい、いらねぇ」
そういって行ってしまった・・・
「・・・・なんなの?!
人がせっかく返すっていってんのに!」
(キーンコーンカーンコーン)
「あぁ!やばい!!」
結局私は遅れて、みっちり怒られた・・・
「あいつ・・・このやろぉ・・・」
そうそう、言い忘れてたんだけどね、
その男子の名前は
藤崎永久 (ふじさきとわ)
ちょっと変わった名前かな?
「はぁ、遅れたのなんて、初めてだよ・・・
あんなやつ、待たなきゃ良かったのかな?」
「お~い沙希ちゃ~ん♪
珍しいこともあるもんだねぇ、明日は雪でも降るんじゃない?」
この子は私の親友、
霧之楓ちゃん (きりのかえで)
大の仲良し♪
「もう、最悪だよ~」
「なに?何か理由でもあるの?」
「うん・・・まぁね」
「なになに?」
「えっとね・・・・昨日、藤崎君に、傘貸してもらった・・・というか、
強引においていかれたんだけど、それで、傘を、返さないとな~
と、思って待ってたら・・・」
「こうなっちゃったわけねぇ」
「うん」
「でも、珍しくない?藤崎君がそんな優しいようなことしてくれるなんて・・・」
「そうだよねぇ、正直私もビックリしたんだけどね」
「でも、一部の女子が、藤崎君って、意外とやさしいよね~
って、話してたような・・・きがする」
「そうなんだ、でも、どうしよう?
やっぱり返したほうがいいかな?」
「もういいんじゃない?藤崎君が返さなくていいって言ってんだから」
「そう?じゃぁいいや」
「うんうん、そうしなよ」
(キーンコーンカーンコーン)
「あ、授業始まるよ!」
「本当だ!じゃ、ばいば~い」
「うん、ばいば~い」
~放課後~
「速く帰って寝よ、疲れた~」
「あ、藤崎君だ、どうしよう・・・
楓ちゃんには、もういいって言ったけど・・・
もう一回言ってみようかな?」
「ね、ねぇ」
「ん?」
「傘・・・本当にいいの?」
「あぁ、まだきにしてたのか、もういいって」
「本当に?」
「あぁ」
「・・・ありがとう」
「別に」
「えっと・・・えっと・・・・」
(どうやって分かれよう?)
「じゃ、俺帰るから」
「あ、うん」
「はぁ、緊張したなぁ、でもこれで、藤崎君に、話すこともないわけだし・・・
良かった」
~夜~
「はぁ~今日はやけに緊張したなぁ
でも、明日からは話さなくても良いし、早く寝よっ」
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ねぇ、
アナタはまだ私のこと覚えてくれてる?
私はあなたのことを、一日も忘れたことはないよ・・・
あの、傘も、大事にとってるよ、
いまでも、愛してるよ・・・
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