三話 異世界旅する神と神
「なあお前・・・」
「何だね?リオス君。」
「リオスねえ。名前変わったからややこいな。いや、それよりも。」
「何ですかい?」
「普通さ、こういうの街に飛ばしてくれよ。何で大森林に飛ばすのかな!」
眼前に広がる美しく活き活きとしている新緑の木々。近頃は春に入るのか、雀の鳴き声が耳に伝わる。小川の流れは微音ながら何とも心地が良い。だがしかし、こんな走り始めた魔人が行くべき場所であるまい。何故なら・・・
「魔物がうようよ出るんだよ!」
さて、少し紹介を始めよう。先程不平を言い、リオスと呼ばれた少年は旧名北村 宗一。何者かに線路の上に突き落とされあっけなく十七年の生涯を閉じた。そして生まれ変わり、今、北村宗一いやリオスは魔人「妖人族」となった。妖人族とは、魔力が大きな場所に生まれ、繁殖しない。当然、親もいないため適当に生まれてテキトーに死んでいくだけの悲しい魔人である。但し、戦闘能力は極めて高く人間界でいうB+に生まれたてでも匹敵する。無論、経験を積めば積むほど強くなる。そして、何故か「妖人族」は美男美女が多いとされる。
次は先程リオスと呼んだ男である。男は自称「神」である。何故小物のリオスについてきているかというと、当然自分の欲のためである。あらすじをいうと、神?ギドは神の中では上の中くらいの神で、リオスの最強能力を手に入れるために共に旅をしている。そして、チャラ男の服装を一変させ、冒険者風になっている。性別は男である。
「で、どうする?この後。」
白髪の長髪に銀の瞳をした中性的な顔立ちの人物が言った。
「まず、街に言って金稼ぐぞ。」
「おー。」
やる気のない声でリオスが言った。
「やっぱり世界腐ってるね。」
上裸のリオスが言った。
「ああ。」
ギドは頷いた。二人の視線は道を通る人々に向けられている。逆に、人々は二人を凝視する。
「酷いよ。まったく。この世界はか弱い少年が上半身裸で骨を浮き彫りにしても皆見捨てるのか?」
「お前は少年じゃねえぞ。後、そこまで骨浮き彫りになっていない。」
「俺の中では俺は永遠の少年だ。」
「中二病臭いこと言うな。」
とギド。
「話し戻すけど、自由会の資金、銀貨二枚を手に入れる方法は?」
「簡単な話だ。お前は、性別変えたり年齢変えたりできるだろ。それ使って、上半身裸の絶世の若い美女になれ。それで、投げ銭ねだるか、そこらの中年に声掛けてチョメチョメしたらあーっというまにゲッツ!」
「知らん。お前がやれ。」
「残念。俺にはネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲があります。オツカレーロオツカラ。」
「仕方ない。体で払うか。」
「やっとその気になったか。」
「ギャー!」
ギドの断末魔が部屋にひびいた。そりゃ。自分を切り裂こうとしている包丁を目も前にしたらそうなるのも当然であろう。
「ちょ、待って!タイムタイム!体で払うってそういう意味?」
「安心しろ。俺がとるのは目と腎臓だ。どれも二つあるからありがたく思え。」
「ありがたく思えじゃねえ!あと二つだったら男特有の痛みがある場所あるぞ。」
「オカマ?」
「黙れ!」
「お前ほんと人の心ねえな。」
オカマになりかけ、絶体絶命のピンチから抜け出したギドが言った。
「皆いい心の意味で人の心とか言ってるけど、人の心は貪欲にまみれた汚い心なんだよね。だから、俺には人の心が有り余ってる。」
リオスはマジでどうでもいいことを言った。
「なあ、お前。ゲーム好きっていう設定と性格が全く変わってるんだけど。性格どうなった?キャラ作るのめんどくなった?」
ギドはしゃがむ。
「お前何やってんの?こ、これは!」
リオスが石の敷き詰められた道の石に理解不能の文字が描かれているのを見て目を輝かせた。
「これは、某人気ゲームの模様と同じ!」
リオスが興奮する。
「やっぱり、お前口だけの馬鹿だ。」
「?」
リオスが顔に?マークを浮かべる。
「この石に書かれた文字は今俺が適当に書いたやつだわ。馬鹿なの?お前は馬鹿なの?プッ。あ~なるほどな。ゲーム好きとか言ってかっこいいと思ってるんか。痛いわ。え?e?E?エ?ちょってまって・・・御免だから、俺が馬鹿だったか。いやそんな臓器を取ってほしかったわけでは、ねえその包丁おろして!イや、嫌、いや、イヤー!」
「んじゃ、そろそろトックンだ!」




