十八話 レン・シノムラ
その日、飛行紫龍の復活が確認された。
警笛が最大音量で鳴り響く。
「市民は直ちに最寄りの教会へ集まれ!紫龍の復活が確認された!急げ!」
街ではこのように慌ただしく人々が逃げまどっていた。
一方、騎士団。
「紫龍の場所はわかったかい?」
トワが聞く。
「は!ここから南西部にある封印場所付近を飛行中。住民の避難は完了しています!」
部下ははきはきと答える。
「OK。お前らも行けるか?」
トワは四人を見回す。
「ああ。いけるぞ。」
リオスは答える。
「あ、そうだ。後、助っ人を呼んだぞ。」
トワはそういう。
「来い。」
そういうと、ドアの向こうから人影が現れた。
「ちーっす。シノムラ レンで・・・」
「「え?」」
「あ!この前の騎士さん!後は・・・」
レンは周りを見回す。
「ギドの兄貴!」
「お!レン!」
そう言い、レンはギドに駆け寄る。それに応え、ギドは手を高く上げる。そのとき、レンのストレートがギドの右ほおにクリーンヒットした。続き、左手にメスを持つ。そして、ギドの脳目掛けて振り下ろした。
「チョ!タンマ!タスケテ!」
ギドが必死に助けを求める。しかし、誰も動かない。
「まあ、こいつが諸悪の根源だからな。」
「は?お前俺の何を知ってんだ!」
「お前にあげる契約の効果でお前の過去大概分かってるんだよ。」
「・・・?」
「お前、レンの転生の対応をしたそうだな。そのとき・・・」
(回想)
レンは辺りを見回した。真っ暗で何も見えない。しかし、紙の匂いがする。これは・・・ジャンプ!レンは匂いがする方向へ行く。すると、声が聞こえた。
「やあ。君が新しい転生者かい?」
すると、急に視界が光を取り戻し眼の前に褐色の青年が立っていた。
「へえ~死んだんだね。」
「そりゃそうだ。」
「まあいい。それよりも、異世界ときたらなんだと思う?」
ギドは問う。
「剣と魔法?」
「これだから中二病は。正解は、ガチャだ!」
「ガチャ?」
「ガチャ。ガにチにャでガチャ。」
ギドは平然と言ってのけるが、「ャ」なんて人間に言えたものじゃない。なんか猫の鳴き声みたいになる。
さて、それは置いておき、レンはガチャで「異世界」「人間」「男」となった。残るは能力ガチャ。レンは固唾をのむ。
「ガチャ!」
出てきたのは・・・
エキゾチック能力「医療従事者」(究極能力「馬鹿之神」)
軽傷から中傷までの傷を治癒する、「中位回復」また、ポーションを自在に生成できる「特効薬」ある程度の薬を自動生成する「薬剤師」。人工医療知能(AI)医療のガイドだが、しかし本人の性格に大きく反映され、そしてその知能も個人差がある、「変動知能」。ほかに、体の一部をメスにする「切裂医者」ETC・・・
「は?」
「乙。」
「死ね。」
「ドンマイ。」
「死ね。」
「終わってる能力だね。馬鹿之神が。まあ、俺が確立操作でこうしたんだけどね。」
レンはそのとき、その言葉の重みを理解していなかった。絶望に陥るのはしばらく後になるのだ。
「まあ、こういうことがあったらしいよ。」
「仕方ないね。」
キョウヤが言う。
「レン殿!もっとやってください!」
リオスが叫んだ。
え~はい、どうも。ギドです。リオス死ね。キョウヤ死ね。ウリエル死ね。トワ死ね。騎士団員全員死ね。
レン死ね。恩忘れやがって!体の傷は治るが心の傷はいえねえぞ。ルシファーよ。この世の愚か共を全員殺してください。




