十六話 飛べ!災厄!
・・・暴風大妖渦?
「飛行紫龍」それは、伝説の魔物である。
先日、トワが戦った竜の数倍の強さを誇る。「飛行紫龍」は自然発生した魔物の中で一番凶悪である。復活したとなると国規模での対策が必要となり、即、軍団が結成される。
しかしこの魔物は人為的にしか復活させることができない故、復活したとなると犯人探しも一緒に行われることとなる。
余談だが「飛行紫龍」が最後に復活したのは凡そ百七十年前である。それは、強大な悪魔により復活させられたと聞くが真偽は不明である。
「ははは。マモは飛行紫龍も欲しいのかい?」
「はい。世の中強欲じゃないとやっていけませんよ。欲塊。あなたも強欲に天を支配しようとしたじゃないですか。」
「まあね。あれ見事に失敗したけど。」
「だから、こいつは虎視眈々とミカエルを倒すチャンスを狙ってるんだよ。」
ベルフェはそういう。
「失礼だね。ぶち殺すぞお前。」
「急に人格戻すな。お前が僕と俺を使い分けるとややこしくなるんだよ。」
「それはそうですね。」
「おい、マモ。お前だっていや、でも・・・」
「どーした?」
とベルフェ。
「黙ってろトワ。」
「俺は字じゃなくて本名で言って欲しいんだけどね。」
「分かった。黙ってろトワ・ベルフェ。」
トワは満足したように喉を鳴らす。
「なんか俺等、闇のソシキみたいだね。」
肩をすくめながらマモは言う。
「ぶっちゃけ闇の組織だからな。」
「では、そんな闇の組織の皆さんに紹介したい人物がいるんですよ。」
芝居じみた口調でトワが言う。
「じゃじゃーん。暴風竜ヴェルド・・・」
「グォォォー!」
そのときヴェルドラの咆哮が鳴り響いた。全員耳をふさぐ。
「うるせぇ!だ☆ま☆れ!」
「ほらほら。ヴェルドラ。みんなうるさいと言ってることだし・・・」
「グォォォー!」
「死ね。」
トワが短剣をヴェルドラののど元に突き刺す。ヴェルドラは痛々しい悲鳴を上げながら崩れ落ちる。
「うわ~。ひどいね。」
「お前が賛同したからだろ!」
「それよりも、この竜の鱗売れるんじゃない?」
マモが言う。
「ケッ!趣味悪いな。」
「違うよ。組合で高く売れると思うんだけど。」
「買い取る側のメリット皆無だろ。」
トワがそう言った。
「「飛行紫龍」?」
リオスは疑問の声を上げた。
「飛行紫龍というのは、A+の最上位に位置するドラゴンですね。人間国家からすると十分な脅威といえます。」
ウリエルが解説をする。
「能力は?」
キョウヤがギドに問う。
「知らん。トワに聞け。」
ギドはそう答えた。
「おい、トワ。飛行紫龍の能力ってなんだ?」
リオスが聞いた。
「あ~飛行紫龍?あいつは確認されてるのだが「紫龍吐息」、「紫龍鱗衛」、「紫毒万操」だな。」
「自我はあるのか?」
「あいつは能無しだよ。勝手に生まれて勝手に暴れるくそ野郎だ。」
とトワ。
「それなら問題はないですね。」
とウリエル。
「本当にそうか?杞憂だといいが・・・」
「リオスお前馬鹿か?」
「黙ってろギド。その五月蠅い声でリオス様を煩わせるな。」
「黙れ!ディアブロ(二回目)!」
「お前こそ黙れ!」
「ずっと「黙れ!」しか聞こえないから黙れ。」
「キョウヤこそ黙れ!」
「お前が!」
「いや君らが!」
「よし、話し戻すぞ。騒音族。族長ギドよ。お前いけ。」
トワが唐突にそう言い放った。
「え?なんで俺?」
「うまくいくと死んでくれたらいいなーって。」
「ぶち殺すぞクソガキが!」
そういい、トワの胸倉をつかみながらギドはリオスに視線を向ける。
「あ?ギドお前なんだ?」
「いやあ、なんでもありませんよ。ウリエル様。俺はただリオス様の秀麗なるお顔を見ただけですよ~」
「黙れ。」
「黙れ。」
「黙れ。」
「黙って。」
「黙れ。」
字⇒これは「あざな」と呼びます。字は古代中国で成人したときの二つ目の名前みたいなもので、有名な例では三国志の諸葛亮で、姓 諸葛 諱 亮 字 孔明ですね。




