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箱の中身

ある日、私の元へ荷物が届いた。と言っても、私宛ではなく隣の家に住む老婆宛だ。これを届けた郵便係によると、隣が留守で帰ってくるまで預かっていて欲しいらしい。

それにしてもこの郵便物は不可思議だ。包みはアマゾンの奥地の果実のような毒々しさがあり、実に私の好奇心をくすぐってくる。それに何やら、良い香りがする。ついには発光までし始めている。

「一体何が入っているのだろう」

そもそも、あの老婆に誰が何故こんな物を送り付けたのだろうか。なぜだ。あの老婆にとって、これは必要なものなのか?息子からの仕送りか?

私は考えを巡らせたが、もっともらしい答えを見つけることは出来なかった。答えが見当たらなかったとなると、余計中身が気になった。

「―開けて見ようか」

私の頭の中はもうこれで一杯だった。もう空けるしかない。いや、でも人の郵便物を開けるというのは実に行儀が悪い。しかし、見たい。見たい。

ついに私の中でそれらの意図は決着をつけた。正直、結果の見えた、たいした葛藤ではなかったのだが。

「見よう」

私の手はその興味の対象へと一直線に向かった。その鮮やかな包みをあと痕が残らないように丁寧に剥がし、姿を現した発光する箱を好奇心のおもむくまま開けてみた。

中にはなにやら、携帯電話のようなものが一つ入っていた。外装にしてはたいした物が入っていなかっただけに半ば裏切られたような気分でそれを手に取った。

トゥルルルルルル、トゥルルルルル

不意にそれが鳴り始めた。『メール受信』と表示されている。

「何故こんなタイミング良く?」

私は不思議に思いそれを確認してみた。


『はじめまして。この度はありがとうございました。

私どもは今の若者がいかに我慢をしらないものなのかを調査しています。

貴方は7683人目の対象者となります。そして、5456人目の不合格者です。

しばらくするとそちらに二人の男が尋ねるかとおもいます。あなたはその男に従い、精神再教育センターに向かって貰います。そこで貴方には十五年間、礼儀や作法、日本の和の心を学んで頂きます』


なんだよ…。これ。 


                                  ―箱の中身


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