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家電生品

  人類の科学は日々進歩している。特に今は生物改造学が発達し、なんと家電生品なる物が生まれていた。その家電生品なる物を私も数匹飼っているのだが、なんとも便利な物である。私が飼っている中から例を出すとすると『炊飯猫』である。これは、名の通り炊飯器を取り付けられている猫である。使用方法は、手を指を一回ならすと米を猫自ら背中の炊飯器に入れ、二回鳴らすと米をたき始め、三回ならし時間を言うと予約までしてくれるという使用は極めて簡単なものである。

 そんな便利な彼らであっても、最近、捨て家電が増えてきていた。道端を歩いているとあちらこちらから国を関係なく様々な動物の鳴き声が聞こえてくるほどだ。先日なんかストーブを乗せたライオンを見かけた。人を幸せにする様に調整されているとはいえ、とても恐ろしい体験をした。

そして今、人間の自業自得なのだが、最近そんな捨て家電が政府も動き出す社会問題となっていた。彼らは植物のように二酸化炭素を吸い酸素を排出すというとても好都合な物なのだが、一方、通常の動物どおり大量の食べ物が必要という不都合な点もあった。しかも、彼らは壊れるまで、死ぬことは無いため数は次々と増やしていく。電化生品が発売されてからちょうど6年の日、政府から彼らの処分が下された。それは彼らを別の星におくると言うモノであった。もちろん、すべて電源を切って。

それから二年後、それが執行される日がついにやってきた。彼らは特殊な電波で集められ、大きなロケットに次々と投げ込まれていった。

スリー3、トゥ2、ワン1、ゼロ0

ごづどどどどぉどどどぉどど

ロケットはものすごい衝撃波と地響きを出しながら空の彼方へと消えていった。


 -それから、何百年。私は死に、人間たちはなおも何度も何度も科学の進化を遂げていったが、ついに、地球そのものが人間の住める環境ではなくなってしまった。いくら科学が進歩したからといって地球をコントロールすると言うことを神は人間たちに許してはくれなかった。人間達が滅ぶのも時間の問題であろう。

そんなある日、地球に一筋の光とともに正体の分からぬ何かが落ちてきた。偶然、近くにいたある男はその場所へと向かった。その場所は白い煙で視界が晴れなかったが、男はその中へと入り、落下物の正体を目にすることが出来た。それは、巨大ロケット。男はわけも分からず、しばらく見つめているとプシュゥウとガスが抜けるような音のあとロケットの側面から地上へとつながる階段があらわれ、何かがそれをゆっくりと降りてきた。

男は、目を疑った。それからおりてきたのは、そう、他の星に送ったはずの彼ら、電化生品たちだったのだ。彼らは答えるはずも無いが、男は問いた

「君たちが何故ここに?高校で教わったよ。君らはたしか何百年も前に君らは他の星に送られて今頃…」

やはり、ネコ型やイヌ型、ブタ型などは男の問いに答えることは無かったが、彼らの奥から一匹、サル型の電化生品が現れた。それは、彼らが他の星に送られる直前に開発されたコンピューターザルであった。彼は、どうやら人語を理解しているようで私の問いに答えてくれた。

「やっとたどり着きましたね。私は、CP―SR100454532番です。私たちは貴方たち人間をお迎えに参ったのでございます」

「どういうことだ?」

「はい、私どもを貴方たち、人間は他の星に送ってくださいましたよね。私どもはその星を開拓したのでございます。まず、その星には好都合にも二酸化炭素が充満していた為、我々の機能で酸素を増やし、そのあと、いくつかの仲間たちに付着していた植物を育て、貴方方にとっての桃源郷として見せました。どうぞ、我々とともに参りましょう」

「ちょっと待ってくれ、君らは電源を切られておくられたのでは?」

「はい、ですが、我々は生物でもあるわけですから、普通に活動することも出来ます。貴方たち人間は気付かなかったようですが…」

「そうだったのか…。まぁ、そうと分かれば、早速政府に報告して、私たちの国だけでもその星へと移住しよう!」

「はい。では、政府にご連絡下さい」

男はすばやく政府に連絡をした。最初は相手にされなかったが、実際に現物を見せると素直に男の言葉を信じた。

それかと言うもの、その星行きの何機もの無人ロケットが到着し、また政府、人民はそれに向けて様々な準備を進めていた。

そして、ついに明日が出発と言う日に、ふと一人の男が気になっていたことをコンピューターザルに問いた。

「一つ聞いていかい?その星までいったいどれくらいの時間がかかるんだい?」

「はい。地球から第二の地球まで約一万五千光年ですから、我々の最先端ロケットでは約三百年ほど」

                                

                                 ―家電生品


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