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カン=チョー

作者: 轟ピスタチオ

浣腸はホント危ないので皆さん気を付けましょう

”最強の武術とは何ぞや”


ある人は答えるだろう


”空手こそ万能”と


またある人は答えるだろう


”組んだら柔道に勝てるモノ無し”と


またある人は言う


”無差別の相撲こそ最強”だと


しかしそれは所詮”机上の空論”に過ぎない


何故なら現代武術では”殺し”を禁忌としているから


殆どの現代武術では目潰し、金的、嚙みつき等は危険行為として反則とされている、それ等は”死”に直結する恐れがあるからだ


逆にそれはこれらの”行為”を肯定する武術の”衰退”を示す


現代の世では”禁術”とすらされるそれらの武術、そしてその”最たるモノ”とされる武術が存在する


それはあえて禁忌とされる”急所攻撃”、但し人体に複数存在する”急所”の中から敢えて一点のみを貫く言わば”必殺術”


その存在を知る各界の達人達はそれをこう呼ぶ。


”カン=チョー”と






都内夜露死区にある”私立・殺死亜無小学校”


全国から集められた実力、実績が伴った正真正銘の”バトルエリート”が集められた学校、そのバトル偏差値は100を超えるという


その実力は歌舞伎町のヤクザ達を壊滅状態に追い込み都内に自らが統括する24番目の区である”夜露死区”を誕生させてしまう程である


その校則は唯一つ、”弱肉強食”


故に勝ち続けるモノには絶対の地位が与えられ、敗者達は畜生として扱われる


殺死亜無小1年1組幕の下平幕


幼稚園時代、ちびっ子相撲横綱として鳴り物入りした彼も入学式当日にある上級生に瞬殺され3日3晩生死を彷徨って以来身も心もすっかり畜生に成り下がった


今日もまた”畜生”として校門に差し掛かった彼の目の前に突如口にマムシの蒲焼を口に咥えた少年が飛び込んで来た


”あ、危ねぇ!”


腐っても力士、その身体で少年を受け止めようとするが


”いやぁ~失敬失敬”


”前”にいた筈の少年が何故か平幕の身体を通り抜け”後ろ”に立っていた


”転校初日から遅刻するとこじゃった、所でアンタ、校長室は何処か知らんかのう”


何事も無かった様に少年が質問する


”校長室は4階だけど・・・”


呆然としつつ平幕が答える


”そうか、サンキューな・・・ショートカットするか”


その後の光景に平幕は目を疑った


少年は校舎に突っ走ると突起も何も無い校舎の壁をよじ登ったのだ


”申し遅れた、ワシは貫道って言うんじゃ、どっかで会ったら宜しくな!”


そう叫ぶと少年は四階の窓をこじ開けそのまま校舎の中に消えてった


”何だったアイツ・・・いけね、俺も遅刻だ!”


後に彼は知る事になる、ここで出会った少年こそが殺小・・・いや武術史そのものを覆す存在となる事を




”今日はこの1年1組に新しい家畜・・・もといお友達が転校してきました。じゃあ貫道君、自己紹介してくれるかな”


ギリギリ朝礼に間に合った平幕が目にしたのは転校生として現れた今朝の少年だった


”押忍!貫道長十郎です!夢は世界中の強者達のケツの穴をぶち抜く事です!”


一瞬で巻き起こる爆笑


”おいおい、ここは田舎もんのホモが来る所じゃないぜ、近所に有名なハッテン場があるから紹介してやるよ!”


しかし次の瞬間、嘲笑していた生徒達の肛門に異変が起こる


”い・・・痛ぇ・・・先生トイレ・・・”


”先生はトイレじゃない、さっさと行って来い、教室を汚すな家畜共”


この光景に唖然とする平幕


”何なんだよ今のは・・・”


一方担任は感心した様に貫道を見る


(あらゆる武術で達人のみが使えるという触れずに相手に衝撃を意識させるという”当て気”・・・この小僧、単なる家畜では無いな)


そして何事も無かったかの様に担任は話を続ける


”貫道君の席は・・・幕の下君の隣で、ついでに幕の下君、この後貫道君に学校を案内してあげて頂戴”


”えぇ~!”





”そうか~、幕の下君は力士か~、道理で体格が良い訳じゃ!”


校舎を歩きながら平幕に語りかける貫道


”平幕で良いよ。一応・・・だけどね、それよりさっきのは・・・!!!”


向こうから歩いて来る存在に気付き硬直する平幕


”おう、オノレは幕の下やないか、生きとったんかワレ!”


2メートルは優に超えるであろう長身もさることながらそれ以上に横にも大きい巨漢が怯える平幕に愉快そうに声をかける


”く・・・玄水さん・・・”


最早顔面蒼白の平幕に貫道が尋ねる


”平幕、アイツは何者なんじゃ?”


最早声にならない声で平幕が答える


”玄水武・・・さん、わんぱく相撲六年連続横綱だよ、表向きはね”


ぎこちなく言葉を続ける平幕


”しかしその後来賓の大相撲現役横綱黒鷲との記念試合において黒鷲を挑発、本気を出した黒鷲に圧倒的な横綱相撲で勝利すると同時に大怪我を負わせ今場所休場に追い込む。更に復讐に来た黒鷲の部屋の一門を全員病院送りにした殺小死天王の一人だよ・・・”


怯える平幕を嬲る様に玄水が詰る


”おいおい、玄水様じゃろうが!これはもう一度かわいがってやらんとのう・・・尤も今度は命の保証は無いがのう”


高笑いする玄水、すると今まで黙っていた貫道が徐に口を開く


”だったらワシをかわいがって貰おうか・・・但しアンタの命の保証も無いがのう”


貫道の煽りに激高する玄水の張り手が貫道に振るわれたその時


”ちょっと待った~”


玄水を制止する謎の優男が間に入る


”なんじゃ、生徒会長か。何故止めようとする!”


優男こと生徒会長はヘラヘラしながら答える


”止める気なんて無いよ~♪、ただ折角だから決闘デュエルで決着付けた方がギャラリーも多くて良いだろ♪”


殺小名物決闘デュエル、それは全校生徒の前で行われるルール無用のデスマッチである。


”ふむ・・・確かにこの俺様に楯突いたモノの見せしめになるしな・・・悪くない!小僧、寿命が延びたな、しかし放課後が貴様の最後だ!”


そう言い捨てると玄水は高笑いしながら去っていった


”アンタ・・・かなり強いのぉ”


玄水の事など忘れた様に貫道は会長に興味を示す


”おいおい、先ずは自分から名乗るのが礼儀だぜ?玄水で魅せてくれよ、君のチカラを。じゃぁまた放課後にね~♪”


そう言い残し去っていく会長、不敵に笑う貫道、そして今にも倒れそうな平幕。それぞれの思惑と共にいつの間にか放課後を迎える




”さぁ全校生徒の皆お待たせ!生徒会長のショウちゃんだよ~、今回のカードは凄いぜ!死天王の一角、玄水武と謎の転校生、貫道長十郎の未知数の闘いだ!因みに今回のフィールドは土俵だぜ!”


廻しに髷、まさに横綱のいで立ちで現れた玄水が貫道を睨みつける


”逃げずに来たのは褒めてやる・・・が、何だその恰好は!”


貫道のいで立ちは体操服に赤白帽と到底殺し合いをするには不似合いの恰好だった


”な~に、これが死に装束になる事は無いから安心しろよ、アンタこそその髷切り落としたら許してやってもいいぜ?”


完全に激昂する玄水、それと同時にゴングが鳴る


”吹っ飛べ!”


その巨体を惜しげもなく使った玄水のブチかまし、ダンプカーを彷彿とさせる一撃に誰もが貫道の最期を確信したその時


”おやおや先輩~、股下がお留守ですよ”


それは一瞬にして奇妙な光景だった、便所座りと言って良い程重心を落とした状態からまるでスライドするかの様に貫道の身体が玄水の股下をすり抜ける


”あっ・・・あれは・・・今朝ぶつかりそうになった時の消えたヤツ!”


驚愕する平幕、そしてふと気付くと横に筋骨隆々の壮年の紳士が立っている


”ほう・・・黄道こうどうは完全に使いこなしているようだな、流石は六歳にしてカン=チョーの現当主を名乗るだけある”


そう解説するこの紳士こそ殺死亜無小の校長にして武のウィキペディアの異名を持つ漢、闇斎烏アンサイ・クロウその人である


”こ・・・校長!何でここに!ってかカン=チョーって何ですか?”


一気に捲し立てる平幕


”カン=チョーとは鍛え上げた己の四肢を用いて他の部位は狙わず敢えて相手のケツ穴のみをブチ抜くという殺人拳だ、古代ローマにて両手両足に枷を着けられた剣闘士が苦肉の策として用いたのが起源とされ後にシルクロードを経て中国、そして日本に伝えられその過程で一つの武術として完成していった・・・今の黄道もその一つ、剣道や相撲のすり足、ボクシングのステップの様にカン=チョーを最大限活かす為に進化した独自の足捌き・・・だがそれすらカン=チョーの一角でしか無い!”


カン=チョーについて解説する校長、一方リングでは・・・


”こんの糞ガキがぁ!!!”


玄水まさかの地面を蹴っての砂かけによる目潰し


”っ・・・”


一瞬怯む貫道のズボンを玄水の剛腕が掴む


”これで終わりじゃぁ!!!”


全力で貫道を投げようとする玄水、しかし・・・


”前褌・・・じゃと・・・”


巨体の玄水が動けない程の指の力で玄水の前褌を掴む貫道


”行け!そのまま投げちまえ!”


興奮する平幕、対照的に冷静な校長が呟く


”いや・・・カン=チョーにあの型の投げ技は無い・・・投げ技はな”


その後平幕の視界には衝撃の光景が映る、何と折角掴んだ前褌を貫道が放したのだ


”馬鹿なのか!自分から勝機を捨てるなんて!!!”


平幕の叫びに校長は唯一言答える


”この勝負貫道の勝ちだ”


前褌は放した・・・が、その反動で上半身を捩じり余りの勢いに玄水の腕が外れる


”何・・・じゃと!しかも小僧が消えた!!!”


狼狽する玄水の真下には全身を捩じった状態で両手をを交差させた貫道がまるで処刑人を見る様な目で玄水を見上げ・・・もとい見下す


”アンタは終わりじゃ、貫かれろ!!!”


瞬間、大地を蹴る貫道の下半身が、回転する上半身が、交差する腕が、そして鍛え上げた指が一気に玄水に牙を向く


”カン=チョー奥義十二宮が拾壱、宝瓶宮アクエリアス!!!”


天に腕を掲げ直立する貫道、そしてその指先は玄水のケツ穴に突き刺さり、優に200キロを超えるその巨体を持ち上げていた


”アンギャァァァjfkhvjkhづふhhふhl!!!!!・・・・・・・・・・・・・”


ケツ穴を打ち抜かれた状態で宙吊り状態の玄水の巨体は言葉にならない悲鳴をあげた後涎と汗を噴き出しながら動かなくなった


”宝瓶宮・・・下半身の屈伸による力と上半身の回転による力を掛け合わせ破壊力に変換したカン=チョー奥義の中でも破壊力に特化した技の一つ、相手を持ち上げたまま天に腕を掲げるその姿が神に水瓶を捧げる少年に重なる事から名付けられた技だ・・・さしずめ玄水は大地から現れた神鎗に貫かれた哀れな供物といった所か”


技の解説をする校長を横目に興奮する平幕


”凄げぇっ!!!あの玄水さんに勝っちまった・・・てか玄水さん動いてなくね?もしかして・・・殺しちゃったとか!?”


急に不安がる平幕に校長は語る


”そもそもカン=チョーは一撃必殺を目的とした殺人拳、その牙に掛かった獲物に残された獲物に待ち受けるのは死あるのみ”


一方リング上では貫道が指を抜き物言わぬ玄水が地面にゆっくり横たえる・・・が


”はぁっ・・・はぁ・・・・”


微弱ながら呼吸をしている玄水


”馬鹿な!十二宮がもろに決まって相手が生きてる筈が・・・っ!”


動揺する校長が貫道を見る、その指は真っ赤に染まっていた・・・第二関節までが


”奴の悪行は許されるモノじゃぁ無い・・・が、今ので邪心は垂れ流しただろう。人では無くその邪心を殺す、それがワシのカン=チョーじゃ”


そう呟く貫道、それを聴いて校長は愉快そうに笑う


”甘い!どこまでも大甘!!が・・・嫌いじゃぁ無い”


そして校長は大声で叫ぶ


”勝負あり!!!勝者、貫道!!!”


校長の一声と共に沸き立つ全校生徒・・・一部を除いて


”強さはより高みを目指すモノ・・・強さを誇ろうとした奴には相応しい最期よ”


殺小死天王兼決闘チャンピオン、”白金拳”、白金虎徹


”彼は正しく無かった・・・僕が斬る手間は省けた・・・が、不穏分子は斬らなくては”


殺小死天王兼風紀委員長、”雷切”、青樹龍


”いいねぇ!ショウちゃん興奮してきたよ・・・早く闘りたいなぁ♡”


殺小死天王筆頭兼生徒会長、”業火”、朱火雀


この戦いこそが後の”殺小ジハード”を起こす引き金になるのだが・・・


”さぁて、駄菓子屋でも行こうか平幕”


”ちょっと、買い食いは禁止だよ!”


貫道と平幕がそれを知るのはちょっと先の話である


































今の所VSボクサー、VS剣士、VS空手家までネタは出来てます、リクエストお待ちしております!

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