表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

花冠を探しに出た子猫(モモ)

作者: 月華  雫

一雨ごとに暖かくなるのが待ち遠しくもあり、雪があまり降らず 雪だるまが作れなかった寂しさもあります。

でも、桜の花が咲き始めると やっぱりわくわくする季節ですよね。

桜は咲いてるときも好きだけど、散った花びらが 川をピンク色に染めていると もう~、すてき!ってはしゃぐ毎年です。

さあ、坊や!今夜はこの絵本よ、ママがお話してあげるからね。


題名は (ここみちゃんと子猫)よ……

あるところに 小さな一匹の子猫が公園に捨てられていました。

ここみちゃんはその子猫をお家に連れて帰り

お母さんに頼んで飼ってもらうことにしました。

その子猫の名前をモモとつけました。

子猫(モモ)は飼い主の ここみちゃんと とても仲良しでした。

ここみちゃんは 子猫(モモ)とお散歩に出かけました。

春のお日様がきらきら、眩しく照らしていました。

道端には お花が綺麗に咲いていたり、つくしが顔を出しています。

「そうだわ!お花の冠を作ってあげるわね、子猫(モモ)待っててね」

そう言うと、ここみちゃんはお花を沢山積み始めました。

ひとつひとつ 輪を作り結んでいきました。

「ほら、子猫(モモ)出来たわよ」

それはそれは綺麗な花の冠でした。

モモの頭にのせてあげました。

「きゃっ!可愛い!子猫(モモ)ステキよ」(σ≧▽≦)σ


ここみちゃんと花冠をのせた子猫(モモ)は お家に帰ろうとしました。

その時です!

一匹のカラスが飛んできて 子猫(モモ)を攻撃し始めました。

「やめて!からすさん、子猫(モモ)は食べ物じゃないよ」

カラスさんは 山には食べ物が無くなってしまい 子猫(モモ)が小さいので餌だと思い狙ってきたのです。

「あっちへいって!」

ここみちゃんが追い払うと カラスさんはいなくなりました。

子猫(モモ)?大丈夫?」


「……あ~、花冠がないよ~、カラスさんが取っていったんだ~」

ここみちゃんは大きな声で泣きだしました。

子猫(モモ)は困ってしまっしまい にゃ~ごにゃ~ごと ここみちゃんと泣いていました。

あまりにも大きな泣き声だったので 何ごとかと ここみちゃんのお母さんがやって来ました。

そして優しく抱きしめて、ここみちゃんをあやしました。

やっと泣き止んだここみちゃんは 子猫(モモ)に向かって言いました。

子猫(モモ)、あの大切な花冠はもうないの、ごめんね!また作ってあげるからね」


子猫(モモ)はまた ここみちゃんの後を追いお家に帰りました。


==おしまい==

「ママ、この絵本持って寝てもいい?」

「いいわよ、いい夢見てね。おやみなさい」

坊やはすやすや眠り始めました。

絵本が坊やの手から離れ パタリと落ちて ペラペラ……

本が開きました。


子猫(モモ)

(ここみちゃんが 一生懸命作ってくれた花輪にゃり!きっと取り返しに行くかね!待っててねにゃん)


なんと開いた絵本から子猫(モモ)が飛び出てきました。

「気ずかれないように……」ヒョイ!

「ふぅ~、とりあえずそっと窓を開けて…」

キィー!

「うわっ!まずいにゃり!」(ФωФ)

「ふぅ~、抜き足 忍び足にゃん」

やっと窓の外に脱出した子猫(モモ)は ピョンピョン屋根の上を渡り 木を伝って下りました。

「さてと、とりあえず カラスさんを探すにゃり!」

その時です、子猫(モモ)が出た窓から一羽のカラスさんが飛び出して来て パタパタと飛び立っていきました。

「うわー、からすめ!花冠を口に加えてたにゃりー」

子猫(モモ)は慌てて追いかけました。

暗闇の中、月の明かりが照らされていたので 子猫(モモ)は 黒いカラスさんの姿を追うことができました。

「見失わないように……にゃん!」

必至で子猫(モモ)は走りました。


あんなに一生懸命 自分の為に綺麗な花冠を作ってくれたここみちゃんの事を思うと 何も怖くありませんでした。

「何処に行ったにゃり!」

途中でカラスさんを見失いました。

すると コウモリさんが飛んできて、子猫(モモ)に言いました。

「カラスさんを探しているのかいぷきー?」

「そうだにゃり!」

「それならあっちへ行ったよぷきー」

「ありがとにゃん」

「僕も一緒に行ってあげるよ、なんてて僕は 夜はお得意だからねぷきー!」

「ありがとうにゃん!」

そして子猫(モモ)とコウモリさんはカラスさんを 探し始めました。

そうすると今度はフクロウさんがやって来ました。

「うわー、びっくりにゃん!」

「そんなに驚かないでくれよ!何もしないさほ~」

「大きな目だにゃり~、キラリと光ったんでびっくりにゃん!」

「驚かせてごめんほ~、カラスさんならあっちだほ~」

「よし!コウモリさん行くにゃり」

「なんなら 私もついていってあげるほ~」

「それは嬉しいにゃり!」

そうして 子猫(モモ)とコウモリさんとフクロウさんはカラスさんを追いました。

とうとうカラスさんを見つけました。

カラスさんは飛び疲れてしまい 木の枝にとまり寝てしまっていたのです。

「今だにゃり!」

「私にまかしておいてほ~」

フクロウさんがそう言うと カラスさんが枝に引っ掛けてあった花冠を加えて来てくれました。

「早く帰らないと、カラスさんが追いかけてくるよほ~」

「よーし!まかせてぷきー」

「さあ、子猫さん、走って!ほ~」

子猫(モモ)はコウモリさんとフクロウさんについて走りました。

走って……走って……走って……

「おーい!猫さんー、カラスさんが怒って追いかけてくるほ~」

走って……走って……


やっと、ここみちゃんのお家にたどり着きました。

子猫(モモ)は必至で爪を立てて 木を登りました。

やっと絵本のある部屋まで来て 絵本の中に飛び込みました。

その時です、カラスさんが怒って追いかけて来るので なんだかコウモリさんとフクロウさんも怖くなり 絵本の中に飛び込んでしまいました。

その後を引き続き カラスさんが飛び込みました。

みんな無事 絵本に到着です。


そして、朝がきて 坊やは起きると 昨夜 手に持っていた絵本が無い事に気がつき探していると ベッドの下に落ちていました。

坊やは絵本を拾って 開いたページを覗いてみると、なんと、そこには怪我をした子猫(もも)がいて、その隣にはコウモリさんとフクロウさんがいました。


☆☆おしまい☆☆



















読んで下さりありがとうございました。

季節の変わり目が 一番体調を壊すときらしいです。

どうか、お身体に気を付けてお過ごしくださいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ほのぼのしました。かわいらしい動物たちの奮闘ぶりがいいですね。 絵本を飛び出して、大冒険というのは面白く思います。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ