バス停
僕には彼女がいる
とびきり優しくてかわいい自慢の彼女が
彼女とは高校1年のときに同じクラスになり偶然となりの席になってから仲良くなって今じゃ恋人だ
僕は今幸せだ、仲のいい友達に恵まれ、こんなにかわいい彼女にも出会えたんだから
死に物狂いで勉強したかいがあったな~と今では思える
家から学校までバスで20分かけて行っている(自転車でも行ける距離なのだが)
バスで行くのには理由があった
それは
『本を読める』ということだ
電車で行くなら時間が短すぎてあまりじっくり読むことはできないし自転車だったらまず読むことさえもできない
そう考えるとバスしかなかった
初めてバスに乗った時は何とも言えない緊張感があり小説を読むことはできなかったがバスに乗ることが慣れ始めたころ、バスに揺られながら読む小説はなんて素晴らしいものなんだと涙が出そうなほど思った事を覚えている
今ではそれがあたりまえになったのだがあの感動は忘れない
その本に影響されてか、バスで高校に通いたいと思ったのだ
その本のタイトルが「バス停から見える君」という恋愛小説だ
別に恋愛小説が好きな訳じゃないがたまたま手に取った本がそれだったからだ
その本の内容がバスで高校に通う主人公が同じバスで通う女の子に恋をするという話だった
その主人公があまりにもモテモテでかっこよかったので憧れた部分もあったのかもしれない
(本を読んでいた僕はバスで通えば主人公みたいになれると思っていたのだろう)
だから僕もバス通学を選んだのだ
でも、高校で普通に彼女ができたしまぁ主人公みたいにはモテてはいないがよくかっこいいとは言われている(ちょっとした自慢だ)
今日もバスに揺られながら本を読んでいる




