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ラグナロク  作者: 古来通
召喚されし者
7/13

説得・・・のち連行

「すみませーん。現在この国に身元不明の男が潜伏しております。怪しい者を見かけたら通報お願いいたします。」


 そう言って町を回っているのは、警察の制服によく似た服を着ているまるで警察のような警察だ。しかも腰には拳銃ではなく剣を携えている・

 そんな警察のような警察を建物の影から見ているのは1人の少年だった。


(絶ッッッッッッ対・・・俺だろ!!!やばい、捕まる、ただ事じゃ済まないぞ。)


 裏路裏に身を潜めながら警察をチラチラ見つつ、この先どうするかを考えた。


(町の周りには高い壁があって、扉が2・3箇所にあってそれぞれ人が立ってる。探されてるんだから正攻法で町を出るのは不可能・・・。どうする?・・・・・てかそれ以前に・・ここはどこなんだよ。)


 自分の知っている町でないことは最初から気付いていた。だが、あまりのこと気が動転してしまい、今に至るわけなのだが、


(天国だっていう可能性はあの子が違うって言ってたし・・・。いや待て、なんであの子はここが天国じゃないって知ってたんだ?・・・そうか!あの子は頭がかわいそうな子なんだ!!そう、ここは天国。あの子はなんかイタいことやってて、服破けて、その拍子に・・・。で、たまたま近くに俺がいたから勘違いして、そうだ、きっとそうだ。)


 確信を持ったのか、頷いていると・・・


「お前・・・ここらじゃ見ない顔だな。」

「はっ!はひっ!?」


 いきなり声をかけられ、ビックリしながら声の主を探すと、そこには高校生ぐらいの男がいた。


「あんたまさか・・・今騒ぎになってる身元不明の男ってやつか?」

「違います。」


 男の質問に簡潔に短く答えた。


(よし!ちゃんと答えられたぞ。こういうときはなるべく間を開けず、キッパリと・・・)

「でもこんな時間に裏路地を出歩くなんて普通じゃないよな。とりあえず兵隊さん呼ぼうか。」


 回避失敗・・・連行決定。

 グイグイと手を引っ張られ表へ引きずり出されると、さっきの警察の集団へと連れて行かれる。

 警察のほうが気付き、見た目中学生ぐらいの少女が先に話しかけてくる。


「どうかされました?」

「こいつが裏路地でコソコソしてたから怪しいと思ってつれてきましたよ。」

「そうですか、こちらで話を聞くので後は任せてください。ご協力ありがとうございます。」

「それにしてもこいつ何したんですか?ここまで大きな捜索ってなかなかないですよね?」


 男がそんな質問をして、警察の少女が発した言葉に少年は驚愕する。


「ああ、すみません。それはこの人の為にも言うことはできないんですよ~。」

(・・・俺の為に言えない事!?それはまさか俺の社会的地位の為に言えないのか!?ここまで大きな捜索してるってことはそれなりの証拠があるのかもしれないし・・・・・そんな・・・そんな・・・)


 少年の頭は爆発寸前、つまり正気ではない。


「してないぞ・・・」

「はい?」


 少年の言葉に反応した少女は面倒くさそうに顔を向ける。

 構わず少年は言葉を進める。


「俺は婦女なんちゃら違反なんかしてないぞ!!」

「「は?」」


 少女と男がそれぞれ同じ言葉だが、別の反応を示す。

 やがて、真面目な顔をして、少女は少年に向かって言い放った。


「いいえ、あなたはその婦女なんちゃら違反をしました。」

「「ええっ!!」」


 今度は少年と男がそれぞれ同じ言葉だが、別の反応をする。


「そんな、だって・・・!!」

「兄ちゃんよぉ!!」


 さらに発言しようとする少年の言葉を遮り男が言葉を繰り出す。


「グダグダ言ってんじゃねぇよ!やっちまったんならしょうがねぇだろうが!!自分のしたことに言い訳すんじゃねぇよ!!」

「で・・・でも・・・!!」

「でもじゃねぇ!とにかく兄ちゃんは女の子を一人傷つけちまったんだ!!ちゃんと謝って罪を償うのが筋だろうが!!」

「お・・・おじさん・・・」


 男は「おじさん」と言われるくらいの年のようには見えないが、いまはこの呼び方がしっくりきた。


「とにかく、刑務所でしっかり身を洗ってこい・・・。そしたら俺のところに来な。ちゃんと罪を償ったあんたを責める奴なんて俺が殴ってやるさ。」

「お・・・おじさぁぁぁぁあん!!」


 少年は男に泣きついた。


「俺の胸ならいつでも貸してやる。いくらでも泣くんだな。」


 そのころ完全に忘れ去られた警察の少女はとてつもなく面倒くさそうな顔をしていたという・・・。



・・・数分後・・・


「ありがとうおじさん。目が覚めたよ。」

「ああ、じゃあ行って来い。」

「あっ、もうOKですか?じゃあ行きましょうか。」

「はい、行きましょう・・・・」


 こうして少年は連行されていた。

 その道の途中・・・


「すみません。まずあの子に謝りたいんですけど・・・」

「謝る必要はありませんよ?全部あなたの勘違いなので。」

「へ?」


 少女の言葉に少年は戸惑う。


「申し遅れました。わたし、このレグルスの軍事隊長をしている衛という者です。まったく、とんだ時間の無駄でしたね。あの時間は。」


 まだポカンとしている少年に向かって少女はこう言った。


「ようこそオリジナルへ。そしてレグルスへ。」

えっと、ちょっと書いてて恥ずかしかったとこもあったんですけど、なんとか書きました。

まあなんとか主人公を主人公にすることができそうです。

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