大捜索大作戦
豪華な部屋だ。
高い天井。真っ白な壁。シャンデリアがぶら下がり部屋を黄金に照らしている。
部屋の入口には、王国のお姫さまのような服装の少女がいた。
入口から見て左側には、長テーブルとソファが置かれ、小さな会議でもできそうだ。いまはそのテーブルには、うつ伏せになる体制で本を読みながら寝転がる男がいた。
右側にも椅子がいくつかあり、その椅子の一つには少女が静かに座っており、横には剣が立て掛けてあった。
そして中央には金で造られた大きい椅子があった。
「逃げられたぁ!?」
その部屋に声が響いた。
声の主はその大きい椅子に座っている人だ。
男物の服を着ているがずいぶん華奢な体をしていて、胸はわずかに膨らんでいる。おそらく女性であろう。
「え?なんで?」
「さ・・・さあ?着替えてる内にどこかに消えちゃったみたいなんだけど…城から出てるとしたら必ず誰かが見てるはずなんだけど、皆見てないって言ってるし・・・」
聞いていないのか、それとも不測の事態なのか、部屋にいる人達は皆、言葉を失っていた。
そんななか口を開いたのは、部屋の右側にある椅子に座っていた少女だ。
「城の裏側なら誰にも見られてない可能性もありますが?裏側に窓がある部屋は会議室だけで、今日は使われておりませんし。飛び降りれない高さではありませんよ?」
「・・・段差とかあるけど、一段一段が30メートルはあるのよ?あなたなら無理じゃない高さだけど、まだただの人間よ?」
またまた沈黙・・・。
そんな中呟いたのは、部屋の左側にある机に直接寝そべっていた男だった。
「なにに切羽詰まったかわしらないけどさ、火事場の馬鹿力って言葉知ってる?」
その言葉に反応し、大きい椅子に座っていた少女はガバッと立ち上がり、その場にいた人々に告げた。
「捜索範囲を町まで拡大!!他国のスパイがいるかもしれないからなるべく静かに、そして迅速に捜索して。」
「大捜索大作戦・・・開始!!!!」
ずいぶん間が空いてしまいましたが、なんとか続きを投稿しました。
表現力が足りないですけど、なんとか想像して頂けたらな。と思います。
まだまだ続くのでよろしくです。<(_ _)>