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初めに
わたしこと麻宮涼子には唯という名前の弟くんがいる。
その弟くんのあまりの可愛さを後世に伝えるべく、わたしは彼の観察日記を書くことにした。
どうしてわたしの弟くんはあんなに可愛いのだろう。
もしブログでこれを公開したら、きっと世の女どもが弟くんの姉になりたいと言いだすに違いない。
国民的弟になられても困るので自重する。
百年後の世界でこれが発見され、伝説にでもなればいい。
きっと世界中の姉たちが弟くんの姉になれなかったことに悔し涙を流すのだろう。
それを思うと胸がすく思いである。