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第17話 スケールの設計

登録者500人。

スポンサー24人。

ボランティア7人。


正義はダッシュボードを見ながら、初めて“次の数字”を現実的に捉えていた。


「1000いけるな」


これまでは願望だった。だが今は違う。再現性のある構造が見えた以上、あとは設計の問題だ。


ノートを開く。


《1000人までの成長設計》


・可視化テンプレの横展開

・自治体数の拡張

・SNS拡散導線の強化

・YouTube連携の再設計


そして、一番大きいのは——


「Sの活用だな」


Slackを開く。


《全自治体、グラフテンプレ適用したいです》


すぐに返信。


“対応できます。ただ、データ形式を統一したいです”


正義は頷く。


「ここも仕組みか」


単発の優秀さではなく、再現可能な仕組みに落とす。


その夜、Sと初めて個別でZoomを繋いだ。


カメラはオフのまま。


「テンプレ、すごいですね」


正義が言うと、Sは淡々と返す。


「再利用できないと意味ないので」


声は若いが、思考は整理されている。


「どこまで自動化できます?」


「入力フォーマット統一できれば、8割はいけます」


正義は思わず笑う。


「それ、もうプロダクトですね」


少し間。


「プロダクトにしたほうがいいと思ってます」


同じ結論だった。


正義は確信する。


「この人、コアだな」


Zoomを切ったあと、すぐにメッセージを送る。


《コアメンバーとして関わってほしいです》


少し間があって返信。


“どこまでやるかによります”


条件提示。


思考が経営寄りだ。


正義は正直に書く。


《1000人、次に1万人を目指してます》


数秒後。


“ならやります”


シンプルだった。


――


翌日。


正義は全体設計をSlackに共有する。


《1000人までのロードマップ》


・1日1自治体追加

・全ページグラフ実装

・週次ランキング公開

・ユーザー投稿導線強化


メンバーから反応が来る。


“いけそうですね”

“やります”


チームの温度が上がる。


同時に、正義は広告戦略も見直す。


これまでの広告はLP誘導だった。


だが今は違う。


「コンテンツ拡散型に変える」


グラフ単体を切り出し、SNSで回す。


リンクではなく“画像”で届ける。


その日の夜、最初の投稿を出す。


《〇〇市 教育費:報道回数 vs 議会質疑》


シンプルなグラフ。


説明は最小限。


30分後。


いいねが100を超える。


これまでとは桁が違う。


「勝ち筋だ」


ダッシュボードを開く。


登録者:500 → 537 → 589。


明らかに加速している。


翌日。


登録者:642。


スポンサー:27人。


ボランティア:9人。


Sがテンプレを全体に展開し始めている。


プロダクトが“回り始める”。


正義は椅子にもたれ、天井を見る。


「ここからは速いな」


だが同時に、別の感覚もあった。


制御できるのか。


このスピードを。


Slackに通知。


“自治体データ、5件まとめて対応しました”


人が増え、処理速度が上がる。


だが、ミスのリスクも増える。


正義は静かに呟く。


「仕組みで守るしかない」


登録者:701人。


1000が、現実になった。


RE:PUBLICは、成長のフェーズを一段越えた。


これはもう、偶然ではない。


事業だ。


そして——


止められない。

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